「高校生デジタルフォトコンテスト」
受賞13作品決定!
2013年7月25日~9月30日まで実施していた「第4回高校生デジタルフォトコンテスト」に全国からたくさんのご応募を頂きましてありがとうございました。応募総数1,230点という多くの作品の中から、グランプリ以下14作品を選ばせて頂きました。
どの作品も「高校生活」というテーマを存分に表現していて、審査員の先生方も選考に大変苦労していました。その中でも先生方をうならせた14作品です。
審査員のご紹介
受賞作品のご紹介
※受賞者の高等学校は受賞当時のものです
「いいなー」
市川高等学校
笹田 和宏さん
校内水泳大会にて。こんなことならちゃんと鍛えておけばよかった。いいなー。
審査員コメント
清水哲朗氏
見ているうちにジワジワと面白さが込み上げてくる作品。“組み合わせの妙”とも言うべきその可笑しさに気づいた瞬間に他を圧倒するほどのインパクトを受け、作者の描いていた表現世界に惹きこまれます。たかがプール、されどプール。こんなところにもドラマがあったなんて!男として他人事ではなく、ただただ“現実”という言葉を噛みしめています。第2回高校生デジタルフォトコンテストで準グランプリを受賞した作者の実力は本物です。
小泉修氏
2011年の準グランプリに続き、今回のグランプリ受賞おめでとうございます。前回の計算された完成度の高い写真からガラリと変わり、日常の一コマを切り取った写真での受賞となりました。十人十色、性格、肌の色、使う言葉、趣味、そして体型も人それぞれ違いが有り、その一瞬を見逃さずシャッターを押した笹田君のセンスが光ります。これからも、素敵な写真を撮り続けて下さい。
「I Luv Phone」
東京都立工芸高等学校
清水 樹里さん
二人の関係を素敵に表現してみました。
まさに二人だけの世界です。
審査員コメント
小泉修氏
アナログからデジタルになり、写真はとても身近な存在になりました。色々な才能、可能性を秘めた皆さんが応募してくれた、写真を楽しみ、そして新しい表現やアイディアを取り入れた作品を目にする度に、毎回驚かされます。その中で今回は特に精彩を放った「I Luv Phone」が選出されました。このコンテストのテーマである「高校生活」を携帯電話を用いる事で、時代性まで写し込んだ素敵な写真に仕上げてくれています。
菅野幸男氏
iPhoneを使った、恋人同士の微笑ましい写真に目が留まりました。
使われている機種、色、携帯キャリアが、時代背景を表現しており、今しか撮れない写真となっています。同じことをする(したい)高校生は沢山いるんだろうなぁ。まさに”愛フォン”。高校生の自由な発想に感嘆しました。身近となったスマートフォンとそこに映し出される画像を使った写真表現に、新しい可能性を感じた1枚です。
「無気力な一瞬」
愛知県立佐屋高等学校
祖父江 咲木さん
ふと見ると四人が無気力でした。笑
審査員コメント
清水哲朗氏
もしかしたら、やる気のなさこそが高校生の源かも!という逆説を考えてしまうほどの傑作です。音や風のように目には見えない気力を被写体に選び、ビジュアル化することは至難の業ですが、それを易々とスマホでやってのける作者の巧さ。しかも絶妙な撮影時間帯、バランスの取れた画面構成、裸足の生徒…これは偶然なのか、計算なのか。作品を凝視し、いちいち頭で考えようとする愚かな大人はもっと無気力が必要なのかもしれません。
鶴田勇一氏
作品全体の色彩や、うっすらと伸びた4人の女の子(だと思いますが)と鉄棒の影。そしてこの無気力というか脱力ポーズから、ぬる~い温度が伝わってきます。たとえぬるくても温度を発しているという点がこの作品の魅力になっています。背後のフェンス、マンションのベランダ、物干し竿、鉄棒が画面を左右に横断している静的空間で、ブラリと干された洗濯物のようにも見える4人無気力な温度がこの作品をジッと見つめさせてしまいます。
エプソン特別賞
「ラストラン」
千葉県立津田沼高等学校
原田 翔太郎さん
今年定年退職を迎える先生の最後の体育祭。 3年生の私達とはまたちがう想いで最後の体育祭を走りきったのだと思います。
エプソン販売株式会社様のコメント
先生の満面の笑顔を拝見していると、思わず微笑んでしまいます。この場所にいらしたみなさまの祝福する気持ち、ご退職される先生の思い、会場全体の雰囲気まで伝わる感動的な作品でした。これからも心の温まる素敵なシーンを沢山撮影していただきたいと思います。このたびは、おめでとうございます。
審査員コメント
清水哲朗氏
多くの人に愛され、本人も悔いのない教員生活を送ってきたことが表情を通して伝わってきます。こういう現場に立ち会え、しっかりとイメージ通りに残せたことは撮影者冥利に尽きると思いますが、先生にとっても人生における大切な1ページを生徒が記録してくれた、かけがえのない宝物になったことでしょう。撮る人も、撮られる人も、写真を見る人も、誰もが嬉しくなる作品に幸せのおすそわけをいただきました。
入選
コンテスト総評
清水哲朗氏
応募枚数は過去最高の1230点。すべての作品を見終えたときには現代における高校生の生態をよく理解しました。なるほど、どれもなくてはならないものであり、それを記録し、発表することで多くの人からの共感を求めているのだと。写真っていいなぁ、高校生っていいなぁとつくづく思いました。使用カメラも一眼レフ、ミラーレス一眼、コンパクト、スマートフォンと幅広くあり、専門知識のある写真部員の力強い作品はもちろん、それ以外の生徒さんによる自由で発想豊かな作品に終始唸りっぱなし。どの審査員も、写真を見て、タイトルとコメントを読んで応募者の表現世界にどっぷりと浸かっていたのが印象的でした。見る人の足を4秒止めさせれば良い作品などとも言われますが、表現世界で活躍する審査員の心を鷲づかみにしてしまう高校生作品の魅力をひしひしと感じました。とはいえ、悪ノリしすぎた作品があったのも事実。共感を呼ぶためのパフォーマンス行為はどんなにすごくても評価はされません。日々の高校生活を記録するだけで十分作品になってしまう輝かしい世代ですので、今後もありのままの姿を写し、共感させてください。