「高校生デジタルフォトコンテスト」
受賞13作品決定!
2020年7月30日~9月30日まで実施していた「第11回高校生デジタルフォトコンテスト」に全国からたくさんのご応募を頂きましてありがとうございました。 応募総数1,516点という多くの作品の中から、グランプリ以下13作品が決定しました。どの作品も「高校生活」というテーマを存分に表現していて、また、非常に個性的で多彩な作品が数多くありました。 その中でも審査員をうならせた13作品です。
審査員のご紹介
受賞作品のご紹介
※受賞者の高等学校は受賞当時のものです
「未来の話をしようよ」
岐阜県立大垣西高等学校
岩田 直樹さん
明日の方を向かって、未来の話をしようよ。君と見た夕暮れは今まで見たどの夕暮れよりも最高に綺麗だった。
この先の未来を予感するみたいに。
審査員コメント
川口貴弘氏
2020年、私たちの世界は一変しました。とても幻想的な夕焼け空は、二人の未来を表しているかのようです。また、仲良しの二人が「これから先も何とかなるさ」と、希望を見出すために語り合っているかのようで、見る人の心に語りかけてきます。色調も美しく、絶妙な構成による素晴らしい作品です。10年後の二人の成長を見てみたい気持ちが芽生えました。これからも、ぜひ撮り続けて下さい!
伊藤英高氏
こんな燃えるような夕焼けに出会った経験はありません。いや、もしかしたら空を見上げたりしていないだけかも。日没間際の空は秒単位で刻々と変化しますから、その一瞬を逃さない観察力をお持ちですね。見ようによっては恐ろしい煉獄のような色彩にも見えますが、2人の絶妙なポーズがまったくそれを感じさせない、期待と不安が入り混じりながらもポジティブな雰囲気を醸し出しています。自然と人間の観察力を生かした写真、これからも期待です。
「反対方向」
大阪市立都島工業高等学校
石川 翔太さん
楽しく遊んだ後には帰る時間が必ず来るんです。でも、友達の乗る電車は反対方向で友達と一緒に帰りたいけれど、仕方ないですよね。
審査員コメント
伊藤英高氏
開放されているドア、ブレている電車と静止している人物、車内と車外の色味など、複雑な要素が絡み合っている不思議な空間ですね。なによりも吊り輪の円がグラフィカルな面白さを醸し出しています。偶然が重なったようでいて水平がビシッと取れているところなどは写真への意識が感じられます。こちらを威嚇するような人物は、実は別れを惜しむ友人とのこと。シュールな雰囲気に意外なドラマが隠されていることにも驚きました。
大橋一仁氏
友達と別れる寂しさを見破られないようにした照れ隠し(?)の仁王立ち。電車とホームがまるで舞台の書き割りのように幾重にも重なるさま。止まった時間(停車)と動いた時間(発車)のコントラスト。前後にリズミカルに並ぶ吊り手の輪。全体のアンバー系の色調など。とても情報の多い濃厚な写真です。手前(撮影者)と奥(友達)のタテ方向と、画面左右の電車やホームのヨコ方向の交差も面白い絵作りです。写真の楽しさを作者は心得ています。
「戻りたい」
富士見高等学校
西山 千里子さん
友人が引退した部活を眺めているところを写真におさめました。この友人の口癖は「部活をやってた頃に戻りたい」です。
審査員コメント
川口貴弘氏
中央にいる彼女を見ていると、なんとも郷愁を誘います。立ち止まって、これまでを見つめ直すことは、決してネガティブな行為ではありません。むしろ、これからの未来を考える大切な機会と言えるでしょう。また、振り返ることのできる過去があるのは、これまで一所懸命に頑張ってきた証拠ではないでしょうか。廊下に差し込む光は、希望に満ち溢れた光に違いありません。その何気ない一瞬を逃さない作者の技術も見事です。
大橋一仁氏
この季節はいつだろうか。遮光線がギラリと射し、間接光がやさしく少女を包む。そして、直立不動で少女は後輩の部活動を眺めている。ただそれだけの写真に惹かれてしまうのは写真の強さゆえか。青春には不安などなく、自分を中心に変化なくこのままずっと続いていくだろうと若者の多くは思うもの。でも卒業が近づくにつれ、そうではないことを知る。それが表れていて、切なさが共鳴します。選者は写真を見て追体験し胸を熱くしています。
入選