このページの本文へ
  • 学科紹介
  • キャンパス

ここから本文

中級バイオ技術者認定試験で、今年は2名の学生が成績優秀者として表彰されました。

写真左:安田 航平 、写真右:野村 幸義

2020年12月に実施された第29回中級バイオ技術者試験において、応用生物学科2年生が受験。結果、大学・高専・3年制、4年制専門学校がひしめく中、全国合格率(76.1%)を大きく上回る合格者を出し、本校が唯一成績優秀者として2名の表彰を受けました。コロナ禍においても、オンラインを活用した独自の試験対策が好成績をもたらす結果となりました。

中級バイオ技術者認定試験とは

数少ないバイオテクノロジー分野の資格に2年間の総まとめとして全員が挑戦

バイオテクノロジーは新しい学問領域のため、医師や薬剤師のように技術者の知識やスキルを客観的に評価できる資格がありませんでした、そこで、1994年に始まった日本で最も歴史のある民間資格がバイオ技術者認定試験です。試験はレベルによって3種類に分かれていて、初級は農業高校の学生、中級は専門学校または大学2年次修了見込みの学生、上級は専門学校の3年生および大学3年次修了見込みの学生が対象になっています。

日本工学院八王子専門学校に設置する応用生物学科では学びの総まとめとして、2年生全員が中級バイオ技術者認定試験を受験しています。中級で認定を受けるのはバイオテクノロジーの基盤となる化学や生物学の知識を持ち、実験を適切・安全に行う能力です。試験は生化学や分子生物学など5科目で150点満点。全体の平均点は毎年85点くらいで、これが確実な合格ラインといえるでしょう。

上級バイオ技術者認定試験
(1)中級バイオ技術者認定試験に合格し、認定証を取得した者。
(2)大学、短期大学および専門学校のバイオ技術等に関する課程の3学年修了者または3学年修了見込みの者、卒業者または卒業見込みの者。

 

◎中級バイオ技術者認定試験
(1)初級バイオ技術者認定試験に合格し、認定証を取得した者。

(2)大学、短期大学および専門学校のバイオ技術等に関する課程を卒業した者、または2学年 修了者および2学年修了見込みの者。
(3)高等専門学校のバイオ技術に関する課程等を卒業した者 または卒業見込みの者。
(4)その他、前項と同等以上であることを本学会が認めた者。

 

初級バイオ技術者認定試験高等学校在校生、高等学校卒業者、高等学校卒業者と同等以上の学力を有すると認められた者。

出典:日本バイオ技術教育学会HPより

コロナ禍での受験対策

感染症対策のため、今までのチームラーニングは使えなくなった
2019年度までは時間もかけてみんなで助け合い、教え合い、協力して勉強をすすめることができた中級バイオ技術者認定試験対策。
放課後も残って、できるまでみんなで乗り越える雰囲気がありました。

(この写真は2019年12月の写真です)

しかし、それは過去の日常となり感染症対策としての密集・密接・密閉を避けるため時差登校、時差下校、分散登校、オンライン授業などの対応も必要となり限られた中での中級バイオ対策となりました。これは予想以上に難しいものでした。

オンライン授業に学生も先生も初めて取り組む
スライドショーを使った授業や発表は先生達にとっては難しくなかった。
しかし、資格試験対策はまた別の物だった。

応用生物学科の先生たちは普段の授業の経験はもちろん、学会発表などの経験も豊富で授業は比較的スムーズに進みました。
また、理系の先生らしくPC等にも詳しくすぐに環境を整え、受講する学生さんの声を聞き改善を繰り返し形にしていました。

オンラインでのグループワークやプレゼンテーション等、新しい取り組みや双方向性の授業を取り入れていきますが、資格試験に関しては本人の取り組みが最も重要になり習熟度を上げるための仕組みが必要でした。

【動的平衡】
手に入れたものを環境に合わせ最適化する。それが生物の生存戦略。

与えられた環境の中でベストを尽くすのが学生みんなの努め。
学生みんなの力を最大限に発揮できる環境を提供するのが教員の務め。

そこには合格へのノウハウを詰め込みました。
合格へのポイントは


1.一問一答
2.徹底反復
3.状況把握


この3つを新しい環境の中でいかに実現するかにかかっていました。
そして、Googleの提供するLMS(Leaning Management System)であるClassroomを導入している日本工学院のメリットを最大限に利用してFormというミニテストに使えるアンケートフォームを利用しました。

新しい環境が与えた新しい資格対策

Google Formでスマートフォンでいつでも勉強できるようになり正答の確認などができるようになりました。
また、教員側ではClassroomを利用して各個人の勉強状況や現在の進捗状況、得点状況等を把握することができるようになり一人一人にアドバイスできる環境が整ったのです。

迎えた2020年12月20日(日) 中級バイオ技術者認定試験本番
難しい社会情勢の中でしたが無事に実施できあとは結果を待つのみとなりました。

正規授業はしっかり行いましたが、昨年度までと比べフォローアップなどのサポートが手薄となり新しい方法でも十分な結果が出るか不安を感じる中での結果発表となりました。

真剣に取り組むことが結果を出すための最短の道のりだった

第29回 中級バイオ技術者認定試験
成績優秀者:日本工学院八王子専門学校より2名選出

応用生物学科合格率 87.5% (全国合格率 76.1% 1097/1441)
残念ながら第28回では合格率100%だったのですが合格率は全国合格率を超えるところにとどまりましたが、多くの学生さんがいい結果を残せました。

多くの大学、高専、4年制・3年制の専門学校が成績優秀者に名を連ねるなか本校は2名と複数名の成績優秀者を今年は唯一本校のみの選出となりました。

【野村 幸義 君のコメント】
150点満点を狙って勉強してきたので少し残念な所もあるのですが結果には満足しています。
自分の中で中級バイオだけは限界を超えるほど勉強してみようと思っていました。東京工科大学 応用生物学部に編入学しますが大学に行っても学力的に絶対に引けを取らない!という自信をつけるためにも頑張りました!

【安田 航平 君のコメント】
私は絵を書くことが大好きで将来はバイオだけではなくてアートの勉強もしてみたいと思っています。両親にもそれを相談した所、「やりたいことをやるのは良いことだ。ただ、やるべきことをしっかりやってからだ!」と言われました。
真剣に取り組むという当たり前の事をしっかりやるのはとても大変だという事を改めて理解しました。結果を出せたことで新しい勉強も同じように真剣に向き合いたいと決心がさらに強くできました。

「学びたい」「成し遂げたい」という真剣な気持ちと直向きな
取り組みが命に関わる応用生物学を志す人には必要でそれを
体現してくれた二人でした。

カテゴリー別記事一覧