入学前は、テレビ業界の裏側はまったく想像できませんでした。でも放送芸術科で専門的に学ぶ中で、普段何気なく見ていた番組がどんな仕組みで成り立っているのかを理解していくうちに、「自分もこの業界で働くのだ」と実感できるようになりました。
授業では、番組制作の実習があり、現場さながらの環境で作品を仕上げていきます。私は美術セットのデザインを担当した時、自分が担当する仕事は自分一人でやり切らないといけない、と思い込んでいました。しかし、どうしてもうまくいかず一人で悩んでいた私に、先生や同じコースの仲間たちが声をかけてくれて、自然とアドバイスやアイデアを出してくれたんです。その時「人を頼ってもいいんだ」「一緒に作品をつくる仲間がここにいるんだ」ということを強く感じました。自分一人で抱え込むより、周囲と協力することでより良い作品ができることに気づいた瞬間でした。それ以来、制作の過程がより楽しく、そして意味のあるものになりました。

同じ夢を持った仲間たちはみんな向上心が高く、実習中もそれぞれが意見を出し合って、作品のクオリティを高めていこうという意識が強いです。担当は違っても、お互いにリスペクトし合ってチームとして動ける関係性が築けていて、とても良い雰囲気の学年だと感じています。そんな仲間のチャレンジを支えてくれる、経験豊富な先生方の存在も心強いです。行き詰まったときには、親身になって相談に乗ってくれて、惜しみなく知識を教えてくれます。
元々は「大工」に憧れていましたが、高いところが苦手で、家族の勧めもありテレビの美術の世界に興味を持ちました。今では“ものづくり”だけでなく、進行や予算の管理などにもやりがいを感じ、自分は人をまとめることが好きなのだと気づくことができました。恐れずにチャレンジすること、それが自分の可能性を広げてくれます。最初は小さな一歩でも、確実に自分の成長につながります！