私は日本工学院に入学するまで、演劇に関する知識も経験もまったくありませんでした。舞台の世界にどんな仕事があるのか、誰がどんなふうに関わっているのかもわからない、いわばゼロからのスタートでした。しかし、演劇スタッフ科ではローテーション形式の授業を通じて、舞台づくりに必要なすべてのセクションを実際に体験することができます。そのおかげで、自分に合った専攻をしっかり見極めることができました。
私がめざしているのは音響スタッフです。音楽がもともと好きでしたので「音から舞台に関わる」ことに強く惹かれ、劇団四季の舞台を観たことがきっかけでその思いは一層強くなりました。実習では、指先ひとつで舞台の空気をガラッと変えられる音響の力に魅了され、難しい機材の扱いやケーブルの種類に苦戦しながらも、友人や先生の助けを借りて乗り越えてきました。今では、かつて自分が助けを求めていたように、誰かを助ける立場に成長できたことに大きな自信を持っています。

演劇スタッフ科の最大の魅力は、同じ夢を持つ仲間たちとの出会いです。クラスはとても仲が良く、授業中は真剣に支え合い、休み時間は全力で笑い合う、そんな温かくも刺激的な関係です。年齢や出身はさまざまですが「舞台が好き」「裏方としてステージを支えたい」という思いは共通しており、良きライバルであり、最高の仲間でもあります。
高校時代は、舞台の話をできる相手が身近におらず、どこか孤独を感じることもありました。ですが今は話すことすべてが楽しく、休日にはクラスメートと舞台を観に行ったり、カラオケでミュージカルごっこをしたりと、好きなことを大声で「好き」と言える環境があります。
放課後、授業の復習に取り組んでいた時、友人や先生が2時間も一緒に付き合ってくれたことがありました。その時「自分のやる気にこんなにも真剣に向き合ってくれる人たちがいる」と心から感動し、私も応えたいという気持ちが芽生えました。それ以降、以前よりも積極的に実習に参加するようになり、毎日の学びにますます充実感を覚えています。
経験がなくても、本気で舞台を支えたいという思いがあれば大丈夫。日本工学院はその気持ちを全力で応援してくれます。皆さんもぜひ、好きなことにまっすぐに向き合えるこの環境で、自分らしい一歩を踏み出してみてください！