【2027年4月新設 サイバーセキュリティ科 スペシャルインタビュー 第三弾】IT現場から教育の道へ。西山睦先生
2027年4月に誕生する日本工学院 サイバーセキュリティ科では、デジタル化やAI技術の急速な進化に伴い、今後ますます重要性が高まるサイバーセキュリティについて、4年間を通じて基礎から応用まで体系的に学びます。
注目の新学科で学生たちを指導する予定の西山睦先生は、日本工学院の卒業生でもあり、約20年間にわたり、システム開発からITインフラの構築・運用、情報セキュリティまで、幅広い分野で実務経験を積んできました。今回は、現場で培った経験をどのように教育に生かしているのか、学生への指導方針や新学科への思いについて伺いました。
学びの先にある「未来」を見据えた指導で、一人ひとりをサポート
西山睦先生
プロフィール
- 専門分野:ネットワーク・セキュリティ
- 保有資格:情報処理安全確保支援士(登録)、ネットワークスペシャリスト試験、情報セキュリティマネジメント試験、AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト、G検定、CCSI(シスコ認定インストラクター)など、20以上の資格を保有
- 趣味:テニス
セキュリティの黎明期から培ってきた経験を、学生たちの未来につなげたい
私は日本工学院のIT系学科を卒業後、エンジニアとして約20年間、現場で仕事をしてきました。当時は、現在のように「サイバーセキュリティ」という分野が明確に確立されていたわけではありません。プログラマ、システムエンジニアとして、社内のトラブル対応をはじめ、さまざまなインフラの構築や運用に携わる中で、セキュリティに関する相談や対応を求められる機会が増え、自然とこの分野に深く携わるようになりました。セキュリティの最前線でさまざまな課題に向き合い、一つひとつ解決していく中で、私自身も専門性を深めてきたのです。
だからこそ、今の学生たちには、単に教科書に書かれている知識だけではなく、「なぜこの技術が必要なのか」「実際の現場では何が起こるのか」まで含めて伝えたいと考えています。現在は、ネットワークやLinux、クラウドといった基礎から、高度なセキュリティ応用まで、これまでの実務経験を生かしながら、実習を中心とした授業を通して、現場で通用する「生きた技術」を伝えています。
また、長年の社会人経験を生かし、仕事への向き合い方や、ITの仕事の面白さも伝えています。技術だけでなく、それを社会でどう生かすかまで考えられるエンジニアになってほしい。それが、現場経験を持つ私だからこそ伝えられることだと思っています。
一人ひとりの「できた!」を大切に
私が学生を指導する際に意識していることは、学生に苦手意識や劣等感を持たせないことです。「授業の内容が難しくてついていけない」「自分には向いていない」「もう嫌だな」と感じてしまうと、そこから学ぶこと自体が苦痛になってしまいます。だからこそ、一方的に知識を教えるのではなく、学生一人ひとりの理解度や習熟度を見ながら、無理なく次のステップへ進めるような指導を心がけています。
ITやセキュリティを学ぶ学生は、入学時の知識や経験も、得意・不得意もさまざま。パソコンに慣れている学生もいれば、ほとんど触ったことがない学生もいるので、まずは「最初の一歩を踏み出せるようにする」ことを大切にしています。いきなり高いハードルを設定するのではなく、その学生が今どこまで理解できているのかを見極め、少し頑張れば手が届く目標を設定する。そして「わかった」「できた」という経験を積み重ねてもらう。そうすることで、苦手意識を少しずつ自信に変えていけると考えています。学生全員に同じゴールを設定するのではなく、それぞれの興味や適性、成長スピードに合わせて、最適な指導を行っています。
小さな「できた!」が、「もっと知りたい」「もっとやってみたい」という気持ちにつながっていく。そして最終的には、教員がいなくても自分で学び、成長していけるところまで導いていく。それが、私がめざしている指導です。
未来を切り拓く、そのきっかけをつくりたい
高校時代の私は、将来何をしたいのか、自分に何が向いているのかも分からず、明確な目標を持てずにいました。バイクやアルバイトなど、好きなことに夢中になっていましたが、将来のことを具体的に考えられずにいました。まさか自分がITの世界に進むとは、当時は思ってもいませんでした。
そんな私の進路を大きく変えたのが、高校時代の先生の一言でした。
「これからはITの時代が来るよ」
その言葉がきっかけで、それまで考えたこともなかったITの世界に興味を持ち、日本工学院への進学を決めました。今振り返ってみると、将来の方向性を見つけられずにいた私にとって、先生の何気ない一言が、新しい世界への扉を開いてくれたのだと思います。それから長い年月が経ち、今度は私自身が教員として学生を指導する立場になりました。学生の中には、高校時代の私と同じように、将来やりたいことがはっきり決まっていない人もいます。でも、それでいいと思っています。最初から自分の進む道が分かっている人ばかりではありません。学びやさまざまな経験を通して、自分の興味や可能性に気づくこともあるからです。
高校時代の私が先生の一言に背中を押してもらったように、今度は私が、学生たちの新しい可能性を見つけるきっかけをつくりたい。そんな思いを胸に、日々学生たちと向き合っています。この思いは、就職活動のサポートにもつながっています。単に求人を紹介するのではなく、学生一人ひとりの個性や適性を見つめ、「この企業が合っているのではないか」「この職種で力を発揮できるのではないか」と考えながら、それぞれに合った道を一緒に探しています。
IT業界には、システム開発、ネットワーク、クラウド、セキュリティなど、さまざまな仕事があります。学生自身も気づいていない強みや可能性を見つけ、それを将来の仕事につなげていくことも、教員の大切な役割だと思っています。学生一人ひとりが、自分らしく未来への一歩を踏み出せるように。教員として、そして社会人の先輩として、これからも学生たちの挑戦を応援していきたいと思っています。
幅広い学びと挑戦の中で、自分の強みを見つけてほしい
日本工学院OBであり、現在は専任教員でもある私から見た日本工学院の魅力は、一人ひとりの興味や目標に応じて、さまざまなことに挑戦できる環境が整っていることです。専門技術を学べる実習環境に加え、資格取得への支援、企業と連携した教育、就職活動へのサポートなど、さまざまな面から学生の成長を支えられることが強みだと感じています。また、各分野に専門性を持った教員がいて、学校全体で学生をサポートする体制も整っています。
学生のみなさんにも、在学中にぜひさまざまなことに興味を持ち、積極的に挑戦してほしいと思っています。資格取得に力を注ぐのもいい。実習を通して技術を磨くのもいい。コンテストや産学連携などの活動に挑戦するのもいい。そうした経験を通して、自分が本当に興味を持てる分野や、自分の強みを見つけてほしいですね。
特にサイバーセキュリティ科は4年制の学科なので、4年間の学びを存分に活用して、新しいことに挑戦してほしいと思っています。サイバーセキュリティの分野は幅広く、ネットワークやサーバ、クラウドなどの基礎技術から、サイバー攻撃の仕組みや防御技術まで、さまざまな学びがあります。その中から自分の興味や適性に合った分野を見つけ、専門性を深めてほしいと考えています。学生の「やってみたい」に応えられる環境が、日本工学院にはありますから。
学びも失敗も、未来の力に。まずはやってみよう!
これからサイバーセキュリティを学びたいと考えているみなさんに、まず伝えたいのは、「今の高校生活をしっかり楽しみ、やり切ってほしい」ということ。勉強だけでなく、ゲームでも、スポーツでも、なんでも構いません。今、自分が興味を持っていること、夢中になっていることに、思い切り取り組んでほしいと思います。そうした経験が、新しい道へ踏み出す時の、自分自身の土台やエンジンになっていくからです。
そして、なにか「面白そうだな」「もっと知りたいな」と思うものがあったら、ぜひ自分で調べて、その先にある仕組みや可能性を考えてみてください。スマホで検索して「わかった」で終わるのではなく、自分の手を動かして、形にしてみることを大切にしてほしいですね。もちろん、失敗してもOK。むしろ、うまくいかなかった時に「なぜだろう」「次はどうすればいいのだろう」と考えることが、新しい発見や成長につながります。
学んだことも、失敗したことも、それをどう次に生かすかが大切です。どんな経験も、決して無駄にはなりません。新しいことにチャレンジしたい、社会に貢献する仕事がしたい、ITに興味がある。そんな思いを持った皆さんと学べることを、心より楽しみにしています。