4/17(木)、日本工学院八王子専門学校CG映像科の学生を対象に、短編アニメーション映画『あめだま』の特別講義が開催されました。『あめだま』は、韓国の絵本作家ペク・ヒナ氏の原作をもとに制作したフルCGアニメーション作品で、第97回アカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされるなど、国際的にも高く評価されています。
本作でCGスーパーバイザーを務めたのは、日本工学院八王子専門学校CG映像科(旧コンピューターグラフィックス科三年制)の2009年卒業生、清水剛吏さんです。
講義では「あめだま」本編の上映に続き、清水さんより制作の舞台裏やアカデミー賞の様子、全体のクオリティを管理するCGスーパーバイザーの仕事内容など、多岐にわたる話が展開されました。
韓国の特有の文化や情景をロケーションハンティングし、作品に取り入れるなど、絵本の世界観を忠実にCGで再現するための緻密な制作エピソードの数々は、とても興味深いものでした。
瞼のラインに至るまで徹底的にこだわったキャラクター表現や、ピクサーなどでも用いられている感情のチャート「エモーショナルチャート」を活用したディレクション手法も紹介され、効率的な制作のためのマスターショットの利用についても紹介されました。背景の台所のモデル制作では、引き出しを少し開けてストレートラインをなくすなど、細部にまで気を配る演出も印象的でした。
清水さんは2009年に本校を卒業後、CGアニメーターとしてキャリアをスタートし、数々の作品でCGスーパーバイザーを務めてきました。学生たちに向けて、自身のキャリアを振り返りながら、CGアニメーター経験を生かしたスーパーバイザーの視点や、細部にまでこだわりを持って制作する姿勢が語られました。
学生へは、常に考えながら制作に取り組み、積極的に提案する事が重要とのアドバイスを頂戴しました。
講義後の質疑応答では予定時間を超えるほど質問が寄せられました。CG業界を目指す学生たちにとって大きな刺激となり、学びの多い講義となったようです。
短編映画『あめだま』