本校では学園祭である「かまた祭」に建築家の山﨑健太郎氏を招き、講演テーマ「出来事としての建築」を開催しました。山﨑氏の講演では、彼の建築への独自のアプローチを示すキーワード「居方」が紹介され、学生たちにとっても新鮮な概念として深い印象を残しました。山﨑氏は、人々が自分らしく快適に過ごせる空間を創出するために、建築計画の中にさまざまな「仕掛け」を盛り込む手法を解説しました。
山﨑氏はまた、世界中を旅する中で触れた多様な文化を通して、日本の伝統文化を再発見したと語りました。特に、日本の住居にかつて当たり前に設けられていた「縁側」の魅力を再評価し、これを表現した作品「52間の縁側」を紹介。この作品は、2024年度日本建築学科賞、2023年度JIA日本建築大賞、2023年度グッドデザイン大賞の3つの主要賞を同時に受賞するという快挙を成し遂げ、業界でも話題となっています。1つの作品でこれらの賞を同時受賞するのは史上初の快挙です。
さらに、講演前日にはテレビ番組「新美の巨人」でも特集され、多くの学生たちにとって特別なタイミングでの講演となりました。山﨑氏からの心温まるメッセージを通じ、講演会は活気と感動に包まれました。
講演終了後には、山﨑氏が学生たちの作品展示をご覧になり、1年生課題の中から「山﨑健太郎賞」を選出。選ばれた学生はもちろんのこと、展示作品にコメントをもらいプレゼンテーションを行った学生たちにとっても、貴重な経験となりました。この経験を糧に、学生たちが今後の学びや創作に活かしてくれることを期待しています。