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高校生けんちくコンテスト

第6回 高校生けんちくコンテスト入賞作品発表。

高校生けんちくコンテスト高校生けんちくコンテスト

第6回高校生けんちくコンテスト結果発表
応募テーマ「勉強のはかどる家」

【審査委員長】
岡本賢(建築家、元久米設計特別顧問、日本建築美術工芸協会会長)
【審査員】
渡辺朋代(オートデスク株式会社 エデュケーションマネージャ)
小田島佑(建築家)
藤原成暁(建築家)

受賞作品 ※受賞者の高等学校は受賞当時のものです

鳥研究室
玉川 優莉
石川県 金沢市立工業高等学校

鳥研究室

審査員コメント
勉強する事は体験する事をテーマに、その為のイメージを鳥が集まる林の中の大木の中に住むというユニークな発想に大きな魅力を感じました。大木の中にさらに枝の付いた木があって何層にも重なる居室から様々な鳥の群れを観察し、鳥達の生態を体験するというイメージがほのぼのとしたプレゼンテーションから感じられる秀作です。(岡本 賢氏)

23.4 dELTA HOUSE
二瓶 一真
宮城県 仙台市立仙台工業高等学校

23.4 dELTA HOUSE

審査員コメント
この作品は、外部に開放され、コンパクトな三角柱を3層に分割し、極限まで開放された階段スペースを勉強のはかどる場として提案している。住空間の中での勉強スペースのあり方を提案した作品が多くありましたが、その中で極限に特化し、完成度の高い作品として評価いたしました。惜しむらくは、この建物の周りの外部環境の設定が明確に表現されていればより高い評価になり得たと思います。(小田島 佑氏)

ハウスロイド S-1Q8
新保 郁哉
石川県 金沢市立工業高等学校

ハウスロイド S-1Q8

審査員コメント
この作品は自分にとって勉強がはかどるための要素を分析・定義の上、「やる気を出すこと」と「集中できる空間」に絞って提案しています。まさしく基地と呼ぶにふさわしいアイディアにユニークさを感じました。(渡辺 朋代氏)

海は先生
竹本 千夏
石川県 金沢市立工業高等学校

海は先生

審査員コメント
自然が人間に与える影響は計り知れないものがある。海という自然をきっかけに子供の興味のスイッチを入れるために様々なレベル差のある床が空間を限定している。模型がその空間性を的確に表現していて好ましい。但し、断面図とプレゼンに対する気遣いが欲しかった。(藤原 成暁氏)

考える屋根
扇谷 蓮
富山県立高岡工芸高等学校

考える屋根

審査員コメント
手は第二の脳、足は第二の心臓といわれる。「歩く」をテーマに螺旋状の屋根をスロープにして建築化した案であり、屋根と内部空間とうまく整合している。外部空間との関わりも配慮すると更に面白くなると思う。(藤原 成暁氏)

なぜ?に応える町
伊藤 圭太
富山県立高岡工芸高等学校

なぜ?に応える町

審査員コメント
勉強する場を少し広くとらえて、家ではなく外部の街に設定し、町の中で実践的な行動を通して勉強するという設定が他の案と差別化している。特に商店街で学べる教科について各店舗で詳細が設定されており、とても興味深い。惜しむらくは、もう少し各店舗毎の勉強の場の多種多様な表現がなされていればより高い評価がなされたと思います。(小田島 佑氏)

賢者の皮むき
盛藤 樹
富山県立高岡工芸高等学校

賢者の皮むき

審査員コメント
勉強を人生としてとらえ、孔子の論語のコンセプトをうまく設計にとり入れています。また、人生の中で取捨選択を空間設計にも活かし、パズルのピースのように減築を行っていくコンセプトは人生の実際のライフスタイルに則していることでもあり、高校生には大変斬新なアイディアですね。(渡辺 朋代氏)

Autodesk賞

姉妹で頑張る家
友利 深穂
沖縄県立浦添工業高等学校

姉妹で頑張る家

審査員コメント
パソコンを上手に用いて姉妹で仲良く勉強できるコンセプトをわかりやすく表現していると思います。勉強するスペースとリラックスするスペースを設計し、オンとオフを切り替えられるようになっているのもいいですね。設計者のポジティブさが楽しく伝わってくる作品です。(渡辺 朋代氏)

審査員特別賞

思考回廊
黒沼 祐介
埼玉県立春日部工業高等学校

思考回廊

審査員コメント
勉強する事は人間にとって無限に続くことだという哲学的な概念を∞の形態の永久螺旋を巡りながら考え、思考を探求し、立ちどまり、という行為によって成立させるという提案が美しいプレゼンテーションで表現されています。コンテストのテーマの「家」という部分が欠落しているため、入賞することはできませんでしたが、その発想と表現力を評価したいと思います。(岡本 賢氏)

森の中の勉強ハウス
久保 友有輝
香川県立多度津高等学校

森の中の勉強ハウス

審査員コメント
森の中に非日常的な夢のある施設を配した提案である。今回のテーマを別の言葉に置きかえてみると、自由な開放された場で多様な発想・構想を持てる空間を提案した作品を評価しましたが、その中で特に異色な提案である。特に”葉っぱ型”の外観はユニークであるが、想像するにこんな内部空間で楽しみながら勉強出来そうな可能性を感じます。その点内観パースは少し工夫不足である。(小田島 佑氏)

彩色賢備
岸川 𥠔菜
長崎県立大村工業高等学校

彩色賢備

審査員コメント
今回の応募の中で唯一色彩を扱った作品である。空間における色彩が人間に与えるものは大きく、そこに着目した点を評価したい。更に詳しく学んで空間に反映していくことを期待したい。(藤原 成暁氏)

地下の家
平岡 杏
静岡県立科学技術高等学校

地下の家

審査員コメント
一つの大きな空間の中に高さの違う地下を設け、その時の状況に応じて落ち着いて勉強ができる空間を作ったのが非常に良い。また地下の温度変化の少なさを利用し、環境面の配慮もされている。建物の形も本をイメージし、インパクトがあるだけでなく、飽きのこないデザインとなっている。全てにおいてバランスの取れた秀作である。(山野 大星(日本工学院八王子専門学校副校長))

学校賞

  • 香川県立多度津高等学校
  • 秋田県立大曲工業高等学校
  • 沖縄県立浦添工業高等学校
  • (順不同)

岡本審査委員長 総評

第6回を迎えた高校生けんちくコンテストは191点の作品が応募され昨年より倍増されました。今回のテーマの「勉強がはかどる家」が高校生にとって日頃切実に感じている事であったことが、応募意欲を倍増したのではないかと思います。
提案の多くはいかに勉強に集中できる環境が作れるかという事を日常の家庭環境の中から生み出していこうとするものでした。自然環境と一体化したり独立した個室空間に閉じこもったりと様々な体験にもとづいた提案が多くなされました。その中でもユニークな発想を持った作品や生徒を通じた勉強が必要だという提案に関心が高まりました。
191作品の中から審査員の先生方が各々20作品程度を選び、第一次審査に50作品が残りました。その中から金、銀、銅賞を決めるのに大変な激論がかわされて、金賞1点、銀賞1点、銅賞5点という結果になりました。
短時間の中で多くの作品の中から良い提案を選ぶ為には提案の内容を如何に素晴らしいプレゼンテーションで表現するかが非常に大切な事です。若々しい発想、既存の概念にとらわれない発想を美しい表現で見せて頂ける様、次回もまた期待したいと思います。

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