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高校生けんちくコンテスト

第8回 高校生けんちくコンテスト入賞作品発表。

高校生けんちくコンテスト高校生けんちくコンテスト

第8回高校生けんちくコンテスト結果発表
応募テーマ「アニメの中の家」

【審査委員長】
岡本賢(建築家、元久米設計特別顧問、日本建築美術工芸協会会長)
【審査員】
渡辺朋代(オートデスク株式会社)
小田島佑(建築家)
藤原成暁(建築家)
山田伸一郎(アニメーター、日本工学院教員)

受賞作品 ※受賞者の高等学校は受賞当時のものです

『空色の家』
正木 美夢
愛媛県立川之石高等学校

空色の家

審査員コメント
マジックミラーガラスとソーラーパネルを一体とした素材を使って、水に浮く水蓮の様なイメージの家に暮らす提案のこの作品は、時間の変化によって日の光を反射して様々に色彩が変化する様が、実に幻想的な美しさを想起させています。水彩タッチとペン画によるプレゼンテーションが審査員の心をとらえました。まさにあり得ないアニメの世界に浸ることができます。(岡本 賢 氏)

『上下一対』
神田 梓
埼玉県立狭山経済高等学校

上下一対

審査員コメント
時代の転換期を迎え”若い人々は、どのように未来を予測するか?”大変興味がありました。また、アニメーションに表現されているイメージやストーリーに対し、提案者は、どのように問題意識を持ち、想像上の未来の住宅を提案するか楽しみでもありました。この提案は閉鎖空間の上下で重力方向が変わるという仮定を行った場合に、どのような世界及び空間になるかという仮想現実の世界を球体というモチーフを使い、小気味よく表現している。単なる無重力空間よりも”上下一対”の逆転した空間の同居という点に、表現の大胆さを感じる。おしむらくは中間領域の”上下同居”空間の詳細なイメージ表現があれば、さらに高い評価が得られたと思われる。(小田島 佑 氏)

『Seashell tent』
久留 青葉
静岡県立科学技術高等学校

Seashell tent

審査員コメント
自らの殻に珊瑚などを放射状に付着させる貝(クマサカガイ)の生態を、住宅の家族構成の変化と対応させた案。その時に必要な諸案をライフステージに合わせて増減し、様々なかたちに変容していく住居形態を布で形づくるユニークな案。巻貝の特徴である螺旋を活かしたプランニングも加えるともっと多様な「変化に対応する住居」になったと思われる。(藤原 成暁 氏)

『ぬらりひょんとまたぎの娘』
滝田 楓
宮城県・仙台市立仙台工業高等学校

ぬらりひょんとまたぎの娘

審査員コメント
一つひとつが不揃いな天然の素材をかき集めて作った手作りのツリーハウス。そこに住むのはまたぎを父に持つ少女と妖怪ぬらりひょん。300年を迎え、大木の成長に合わせて少しずつ変化してゆく。世界の周縁に住むモノたちによる規格に捕らわれない家造り。これぞリアルメタボリズム!!(山田 伸一郎 氏)

『砂時計の家』
菊地 麻彩美
埼玉県立狭山経済高等学校

砂時計の家

審査員コメント
ものが変化し崩れ朽ちていく当たり前の日常を砂時計に託している。当たり前が当たり前でないという発見につながる家の提案で、着色せずモノトーンで表現するイラストも巧みである。(藤原 成暁 氏)

『TALES TREE』
仲倉 柚衣
京都府・私立京都聖母学院高等学校

TALES TREE

審査員コメント
アニメや絵本の有名なキャラクターたちが住んでいそうな、素敵なファンタジーの世界が上手に表現されています。各々のキャラクターたちの特徴的なアイテムを構成の中にとりいれて、優れた画力と精密な色彩により、とてもかわいいデザインに仕上がった家になっています。(渡辺 朋代 氏)

Autodesk賞

『ネオ カプセルタワービル』
佐藤 輩斗
北海道苫小牧工業高等学校

ネオ カプセルタワービル

審査員コメント
既存のアイデアをアニメの中でリノベーションするという古くて新しい概念が面白い作品です。様々なソフトウェアやCADを組み合わせて、力強いプレゼンテーション表現に仕上がっています。似顔絵も上手に取り入れて、コンセプトがダイレクトに伝わってきます。(渡辺 朋代 氏)

審査員特別賞

『Tree Walk』
岩崎 つばさ
石川県・金沢市立工業高等学校

Tree Walk

審査員コメント
動物を観察するために彼らのテリトリーに居を構えるという発想が面白い。くり抜かれた木の中をつるを使って移動するというなんとも冒険心をくすぐられる造りになっている。タブレット一つでどんな世界でも見る事が出来る現代に、あえて、自ら動きまわって経験するという点が魅力的だった。(山田 伸一郎 氏)

『House in the jelly』
鈴木 瞬
静岡県立科学技術高等学校

House in the jelly

審査員コメント
不思議な物質”ゼリーの家”という仮定条件のもとで、この住居の内部空間を形成している床、壁、天井の材料を、自在に変形や切断、切り取りができ、また、切り取り部分を再生利用できるという発想は、なかなかユニークである。将来このような特殊物質が発明された場合、我々を包む空間は多様な変化をもたらすであろう。一方、外被または外部形態を生みだす新素材を設定し、内外空間の多様な変化をイメージ表現されれば非常に評価の高い提案になり得たと思われます。(小田島 佑 氏)

『ガラクタの家』
織田 晃史
東京都立工芸高等学校

ガラクタの家

審査員コメント
捨てられたものの中に新しい意味を見出し、夢を創造する家の提案。地球環境問題に通じるものを感じる。おもちゃのロボットだけでなくもう少し多様な創造物の例を示して欲しかった。(藤原 成暁 氏)

『マジワリハジマル』
清水 広行
北海道苫小牧工業高等学校

マジワリ。ハジマル

審査員コメント
アニメのテーマの中で、建築的な構成の提案に惹かれました。様々な形の壁を組み合わせて自由な空間を作り、そこで生活し多くの人々と交わり、不思議な形の村ができる、そんなイメージを汲みとりました。端整なプレゼンも好感が持てます。(岡本 賢 氏)

学校賞

  • 秋田県立横手清陵学院高等学校
  • 埼玉県立狭山経済高等学校
  • 京都府・私立京都聖母学院高等学校

岡本 賢 審査委員長 総評

第8回高校生けんちくコンテストのテーマ「アニメの中の家」に過去最多の293にも及ぶ作品が寄せられました。高校生の皆さんにとってアニメの世界が如何に身近であったかが感じられました。今までのテーマと違って全く自由な発想でテーマに取り組むことができるのが最大の魅力だったのではないでしょうか。空を飛ぶ、無重力の空間に漂う、植物の中に入り込むという様な提案が数多く見られました。限られた時間の中で数多くの作品の中から優劣をつけることに、審査員の先生方が大変苦労をされました。審査員の推薦点数の多い作品の順から数々の議論の結果、最終的に最優秀作品が選ばれました。金賞は水蓮の花のようなガラスソーラーパネルの家が美しい色彩のプレゼンで、好感を得ました。銀賞の2作品は無重力の中で暮らす奇妙な体験と、様々に移り変わるテント建築のイメージが評価されました。銅賞は、ていねいに描かれたアニメや妖怪のイメージの家、やがて消えていく砂時計の家など、全く異なった作品が選ばれ大変バラエティに富んだコンテスト結果となりました。

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