インテリアコーディネーター資格試験の合格者を毎年輩出している日本工学院の教育。
お客様の要望に応え、暮らしやすく快適なインテリア空間を提案するインテリアコーディネーター。住宅メーカーやリフォーム系企業、建材メーカーなどで活躍する、女性に人気の職業です。手がける空間は住宅を中心に、オフィスや店舗、商業施設などさまざまです。住宅の場合、お客様から「どんな部屋にしたいのか」「どのように暮らしたいのか」などをうかがい、壁紙や家具、照明、小物などを組み合わせ、お客様の要望に合った最適な居住空間を提案します。
インテリアコーディネーターをめざすうえで重要なのが、インテリア産業協会認定のインテリアコーディネーター資格試験です。社会的認知度が高く、取得しておくと信用度が増し、仕事の幅が広がることもあって、社会人を中心に毎年多くの人が受験しています。実務経験などの受験資格が一切なく、誰でも受験可能ですが、合格者の約8割は社会人。合格率は25%前後という狭き門で、合格者のおよそ4人に3人が女性です。
日本工学院 デザイン科(3年制)インテリアデザイン専攻では、普段の授業がインテリアコーディネーター資格試験の試験範囲をカバーしており、受験希望者を対象とした資格対策講座も授業としてカリキュラムに組み込まれています。そして、インテリアコーディネーター資格を持った講師たちがきめ細かな指導を行っています。その結果、毎年数名が2年次または3年次にインテリアコーディネーター資格試験に合格。入学して2年足らずの学生たちをどのようにして難関資格取得者へと成長させるのか。その教育の一端をご紹介いたしましょう。
一次試験 | 二次試験 | |
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試験日 | 10月の第2日曜日(年1回) | 12月の第1日曜日(年1回) |
試験科目 (試験内容) |
学科試験(160分)マークシートによる択一式 1.インテリアコーディネーターの誕生とその背景 2.インテリアコーディネーターの仕事 3.インテリアの歴史 4.インテリアコーディネーションの計画 5.インテリアエレメント・関連エレメント 6.インテリアの構造・構法と仕上げ 7.環境と設備 8.インテリアコーディネーションの表現 9.インテリア関連の法規、規格、制度 |
論文・プレゼンテーション試験(180分)記述式 1.論文(設問の課題について論述) 2.プレゼンテーション試験 (課題の要求に従って解答用紙に平面図を描く) |
※一次・二次試験を通じた合格率
日本工学院デザイン科(3年制)インテリアデザイン専攻の教育目的は、インテリアデザインに必要な知識や技術をしっかり身につけ、希望の会社に就職することです。資格は知識や技術を身につけるうえでとても有効なツールであり、カリキュラムと不可分の関係にあります。私たちがインテリアコーディネーター資格試験を重視しているのも、この資格にチャレンジすることで、知識や技術、製図のスキルなどがしっかりと身につくからです。また、合格率が低いので、合格すれば就職活動で自分をアピールする材料になります。そしてなにより、努力を惜しまずに難関資格を勝ち取ったという経験が、学生たちの自信につながります。資格取得という目標に向かって結果を出すという経験を通じて、メンタル面でも大きく成長できます。
インテリアコーディネーター資格試験は、一次試験が毎年10月に、二次試験が12月に行われます。一次試験はマークシートによる学科試験で、インテリアの構造・構法やインテリア関連の法規など、幅広い問題が出題されます。二次試験は筆記試験で、論文とプレゼンテーション(解答用紙への作図)の技能が問われます。一次試験のみ合格した場合は、次年度から3年間一次試験が免除されます。日本工学院デザイン科(3年制)では、一次試験と二次試験の内容や実施時期に合わせ、1年次から段階的に必要な知識を養っていくカリキュラムを組んでいます。そして、インテリア関係分野で活躍されている方々(全員がインテリアコーディネーター資格保持者)が講師となって、資格対策講座などで直接指導にあたっています。資格対策についてはオープンキャンパス+体験入学でも説明していますので、興味のある方はぜひ参加してみてください。私たちと一緒にインテリアコーディネーター資格を勝ち取りましょう。
1年次
1年次は、デザインの基礎を固める大切な時期なので、具体的な資格対策は行いません。ほとんどが必修科目で、普段の授業を通して一次試験や二次試験に関係する内容を幅広く学んでいきます。1年次からしっかり授業に取り組めば、それだけで十分な対策になります。
学生たちが3年間の学習目標を立てやすいように、3年間にどんな授業があるか、どう取り組んでいくかなどについて最初にレクチャーします。その際、インテリアコーディネーター資格試験について触れ、2年次にチャレンジするという意識付けをします。
全員が履修する「デザイン論Ⅰ」では、インテリアの歴史や家具の種類、素材(床材、壁材、木材、金属など)について理解を深めます。後期から始まる「デザイン論Ⅱ」では、建築的な知識(耐震などの構造、リフォーム、施工、設備、環境工学、法規など)を学びます。これらはすべて一次試験の試験範囲です。
まず「基礎デザイン実習」で、手書きの製図について学びます。そして「デザイン実習ⅠA」「同ⅠB」で、初めて住空間のインテリアデザインを総合的に提案するという課題に取り組みます。マンションのスケルトンの構造を題材に、学生たちがそこに住む人のキャラクターを考え、その人の趣味嗜好に合った内装を提案していきます。作図の技術や素材の知識、インテリア計画などがすべて問われるので、一次試験と二次試験両方の対策につながります。
2年次
2年次は、いよいよ本番を迎える重要な時期。受験希望者は最初に前年合格した3年生の先輩から具体的な話を聞き、モチベーションを高めて6月からの本格的な受験対策に臨みます。10月の一次試験を経て、12月の二次試験まで約半年間にわたってきめ細やかなサポートを行います。
インテリアコーディネーター資格試験を受けない人も含め、全員が過去問題を解き、インテリアデザインのベーシックな知識を身につけます。
毎年6月頃から受験希望者を対象に、インテリアコーディネーター資格試験対策講座を開いています。この講座の目的は、くり返し問題を解くことで、これまでの講義で学んだ知識を確実なものにすること。公式テキスト「インテリアコーディネーターハンドブック上下」を使い、過去5年間の問題がまとまった問題集を解きながら、講師が一問ずつ解説し、理解度を高めていきます |
一次試験対策用の過去問題集 |
夏休み期間の前半と後半に夏期講習を行っています。一次試験に慣れるよう、本番と同じ制限時間で問題を解いていきます。最初はみんな点数が低いのですが、まず自分の実力を把握してもらい、9月にかけて実力を伸ばしていきます。講師たちはその結果をもとに、強化すべきポイントを判断します。
9月になると直前対策を行い、過去問題を解きながら、ポイントとなる項目を重点的に解説していきます。新たなことを学ぶのではなく、これまで学んだことの総復習です。
10月の一次試験の後、自己採点をして合格圏内と思われる学生たちはすぐに二次試験対策に取りかかります。まず過去問題の解答例を書き写すことから始め、決まりごと(例えば6人掛けのテーブルといったら1800×900cmなど)を覚えていきます。二次試験は論文と作図があるので、論文については文章の書き方などを、作図についてはなるべく消しゴムを使わない描き方や効率のよい描き方などを教えていきます。
二次試験対策は、個別の添削指導がメインになります。解答時間を測りながら過去問題や練習問題を解き、講師が個別に赤入れチェックをしていくスタイルです。最初はみんな解答用紙が真っ赤になりますが、次第に赤字が少なくなっていきます。それを1週間に2〜3回程度くり返し、12月の二次試験に臨みます。
左)個別添削で真っ赤になった解答用紙
右)二次試験対策用のテキストと過去問題集
3年次
3年次は、在学中に取得できる最後のチャンス。2年次に惜しくも取得できずに再チャレンジする人もいれば、クラスメイトが2年次に取得した姿を見て刺激を受け、私もチャレンジしたいという人もいます。基本的に2年次と同様の資格対策が行われます。
3年生の受験希望者の中には2年次に受験した人と初めて受験する人がおり、2年生の受験希望者とベースが違うため、一次試験対策に限り、3年生独自の資格対策講座を開いています。二次試験対策は個別指導がメインとなるため、2年生と合同で行っています。それぞれの内容は基本的に2年次と同じです。
日本工学院デザイン科に在学中、2年次に一発で一次試験と二次試験に合格した学生たちに、インテリアコーディネーター資格試験の対策や合格のポイントなどについてうかがいました。
(写真左から)山口恵美子先生/川勝七海さん/安西萌恵夏さん/宮本奈希紗さん/山崎葵さん/島田さつきさん/朝日かれんさん
合格者プロフィール
川勝七海さん (株)B-PROJECT勤務 2021年卒 神奈川県立相原高校出身
安西萌恵夏さん 東京工科大学デザイン学部3年(編入) 2021年卒 神奈川県立湘南台高校出身
宮本奈希紗さん 鈴木照明(株)勤務 2021年卒 茨城県立竜ヶ崎第二高校出身
山崎葵さん デザイン科3年 新潟県立小千谷西高校出身
島田さつきさん デザイン科3年 北海道札幌国際情報高校出身
朝日かれんさん デザイン科3年 山梨県・私立山梨学院高校出身
花岡裕実さん デザイン科3年 長野県富士見高校出身
インテリアコーディネーター資格取得をめざす人へ
インテリアの知識がなくても、日本工学院のカリキュラムで学べば、必ずインテリアコーディネーター資格試験に合格できます。目標に向かって努力を惜しまなければ、私たちがしっかりサポートします。勉強に慣れていない人でも取り組めるように一から指導しますので、心配はいりません。ただ、合格するには資格を取りたいという強い気持ちが大切なので、その気持ちだけ持って入学してきてください。あとは私たちがみなさんを合格へと導きます。
インテリアコーディネーター志願者がいまできること
最初は身近な所でよいので、どうしたら自分にとって居心地のよい空間になるのかを考え、実際にインテリアをコーディネートしてみてください。そこで快適さを実感したら、それを人に提案する気持ちを持って欲しいと思います。インテリアコーディネーターをめざすなら、人に何かを勧めたい、喜んでもらいたいという気持ちが大切です。また、いろんなコーディネートにチャレンジして、どんどんインテリアを好きになって欲しいと思います。勉強と遊びを分けずに「趣味もインテリアです」っていうぐらいインテリアが好きになれば、どんどん伸びていきます。
また、雑誌やSNS、映画、書籍などで、内装(住空間や家具など)が映っているものをたくさん見て、「素敵だな」「かっこいいな」と思えるものを一つでも増やしておいてください。インテリアを学ぶことが楽しくなりますし、アイデアの幅も広がります。
日本工学院デザインカレッジ
デザイン科
教員:山口恵美子
デザイン科(3年制)インテリアデザイン専攻へ 日本工学院デザイン科デザイン専攻では、「住空間デザイン・コーディネート」と「空間・ショップデザイン」の2つの分野について、デザインの基礎からそれぞれの分野の専門スキルまで幅広く学び、インテリア業界で活躍する力を養います。 |