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応用生物学科 NEWS & TOPICS

応用生物分野の技術者・エンジニアを育成する応用生物専門学校。

応用生物学科 NEWS & TOPICS応用生物学科 NEWS & TOPICS
2021年12月23日
八王子校

新商品開発LABO 製品開発第一弾

応用生物学を利用した商品開発プロジェクト発足

商品開発プロジェクト

興味こそ最大のモチベーション

2021年4月 応用生物学科は専攻のリニューアルを行いました。旧来の「医薬品・食品・環境・バイオテクノロジー専攻」から「医薬品・食品・化粧品専攻」へと歩みを進めました。そのタイミングで入学した学生さん達から多くの声をもらいました。新商品開発をしてみたい、オリジナルの化粧品を作ってみたい、出身地の素材を使って地域を活性化するような食品を作ってみたい、入学直後からのその声で新しいゼミスタイルを始める事を決定しました。

着けたチーム名は「新商品開発LABO(仮)」

通常授業が終わったからのゼミ

ゼミスタイルでの新しい試みは6人のメンバーでスタートしました。通常授業が終わった後、先生と共に集まり一緒に新しい商品を世に出すために何が必要なのかをトレーニングすることになりました。そして、「最も大切なことは学科の基礎的な勉強」であり、そこをベースにプロダクトを生み出していくという事です。さらに商品とは、中身だけで決まるものではありません。マーケティング、パッケージデザイン、関係法令、プロモーション、予算と値段、販売方法など、多くの要素が絡み合ってきます。応用生物学科はバイオテクノロジーを学ぶ学科のため、商売の事やデザインの事を中心に学ぶ授業はありません。しかし、そこがゼミスタイルの授業の良いところです。+αの勉強もできる事はもちろん、仲間とともに勉強をするなど困難をチームプレーで乗り越える下地ができました。

はじめての化粧品づくりから学ぶ商品開発の難しさ

体験型化粧品作成
はじめての化粧品づくりは「手作りリップグロス」です。溶かして混ぜる簡単な体験型の化粧品作成ですが、本格的でちゃんと使えるリップグロスです。原料は市販のものと同様ですが混ぜる比率を変えて硬さを変えたり、配合する色を変える事でラメっぽくしたり艶っぽくしたりすることで出来上がりが変わってきます。この取り組みでは、誰をターゲットにどのようなシチュエーションで使ってもらいたいのかなどを想定して自分たちで想い描いた雰囲気のリップグロスになるかを表現する練習にもなっています。最後は商品名を考えて終了です。このような取り組みを繰り返すことで「商品は誰に届くことを考えて作られていくのか?」という基本的な姿勢を身につけていくことができました。

ステップアップは企業や卒業生の力も借りて

調香師として活躍する卒業生からの指導
食品を作るにあたっては、調理科ではありませんので新メニュー開発というわけにはいきません。加工食品を作るというのが応用生物学科の命題になります。しかし、そのためには入学直後ではちょっと難しさが先行します。化粧品も化学の知識が相当必要になるのですが、トレーニングは必要でありながらも直ぐにトライできることが1つだけあります。それが『香り』です。なぜならば香りは「嗅ぐ」という行為で人間がセンサーになるからです。だからこそ、科学的に取り扱う事が難しい香り。一方で直感的であり経験がものをいう香りへのアプローチは卒業生でもある調香師の先輩にご指導を受けることで解決していきます。香りへのアプローチはとても楽しく心躍るものでした。そして学びも多く、世の中にどのような香りが存在し、どのように感じ、どのように表現していくのか。自分たちの未熟さと香りの利用の難しさも同時に感じる事となりました。

「商品開発を行う」という取り組み

次の課題は「新商品開発LABO」という名の通り新商品を開発するという課題です。一番の問題は「何を作るのか?」というゼロからのスタートです。先生からのヒントは
「商品には困っている人を癒す物か、楽しみを与える物の2つがあるよ。周りの人を観て、声を聴いて、考えてみる所からスタートしてごらん」という事でした。

コロナ禍にあって生まれた問題をチームメンバーは見つけます。

『毎日の消毒は辛い』

当たり前になったことで返される消毒により手が荒れて水仕事がとても辛いというものも。水仕事が無くても至る所に消毒液がおいてあり、お店の出入りをするたびに消毒をしなければいけないのは誰もが感じるストレスでした。それを新商品開発LABOのメンバーは拾い上げ、さらに香りを追加する事で「楽しい消毒」「消毒したくなる消毒液」という新しい発想を生み出します。

試作を繰り返し、笑顔に向けて挑み続ける

試作風景
方向性が固まり、試作を始めます。ここでの難しさは正解がないこと。香料を混ぜているので香りはします。消毒液に入れているので消毒もできます。しかし、これで良いのかが分かりません。計算問題のように答えがありません。無限に続けられてしまうこの作業に答えは「使っている人の笑顔」という終着地点を設定しました。自分達らしさも表現できて多くの人が好感を持ち、使用することで「ちょっと素敵な大人になれる」というコンセプトを掲げレシピを完成させていきます。

スタートとなるコラボレーション

デザイン科とのコラボレーションによる開発した化粧品のパッケージデザイン
商品を作るという以上、中身が出来上っただけでは完成とはいきません。そこで、デザイン科(グラフィックデザイン)の学生さんとコラボレーションをしてラベルのデザインを作成。コンセプトと香りのイメージを伝え、ウイルスから守る「盾」のイメージと主軸の香りとなっている「桃」のイメージを盛り込んでデザインを作ってもらいました。そして、ペンタイプのアトマイザーに合わせたパッケージも作成しました。デザインが加わることで製品としての完成度が一気に増しました。そして商品名を「高貴に着飾るサニタイザー」と名付けました。

起点であり、輝点となる街 日本橋兜町・茅場町が我々の起点・輝点となった。

応用生物学科では、八王子を中心に様々な地域、企業と連携をして問題発見・課題解決を行ってきました。その活動を知ってくださった(一社)日本橋兜らいぶ推進協議会より今回の「高貴に着飾るサニタイザー」を2021年8月にオープンした日本橋兜町のランドマーク KABUTO ONEにて発表・展示のお声がけをいただきました。まさに商品開発第一弾プロジェクトのスタート地点にふさわしい場所であり、ちょうどクリスマスシーズンとも重なるという事で発表の場としては最高のタイミングでした。
日本橋兜町 KABUTO ONEにて発表・展示

ポインセチアをあしらった真っ赤なクリスマスツリーの横で説明と配布をするとあっという間に人だかりができました。高貴に着飾るサニタイザーはOEM委託(Original Equipment Manufacturing)にて製造したため、レシピはオリジナルながら市販できる状態になっています。多くの人に説明ができ、使っていただき、反響を直に得ることができる。そして、その場に「笑顔があふれる」というのが一番の収穫でした。

今回の取り組みは応用生物学科での学びの一部分です。応用生物学科では医薬品・食品・化粧品専攻と3つの選考を全ての学生さんが学ぶ事になります。そしてその学びの中心は生物・化学でありバイオテクノロジー実験になります。資格に関しても中級バイオ技術者認定試験をはじめ品質管理検定など生物・化学や就職に向けた多くの資格を取っていきます。それら学びを徹底して行う延長線上に商品開発のような取り組みがあることで毎日の授業の内容を使ってものづくりへ繋げられる面白さこそが新商品開発LABOの魅力であると思います。ぜひ、生物・化学の学びを志してみてはいかがでしょうか。


第一弾として開発された消毒液

※本製品は販売されていません。応用生物学科の体験入学に参加いただきますとノベルティとしてお配りしております。なお、在庫数には限りがございますので、在庫切れになった場合はご容赦ください。

第二弾の新商品開発LABOの取り組みもお楽しみに!


◎応用生物学科
https://www.neec.ac.jp/department/technology/biology/

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