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応用生物学科 NEWS & TOPICS

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2024年05月20日
八王子校

銀座鈴屋と応用生物学科の産学連携で、オリジナルクラフトコーラを開発

クラフトコーラ

テクノロジーカレッジ応用生物学科では、2022年6月より約1年間に渡り、和菓子・甘納豆の老舗である株式会社銀座鈴屋と産学連携を実施。学生のアイデアによるオリジナルクラフトコーラ『八王子コーラ@和(あっとなごみ)』を共同開発しました。銀座鈴屋の工場が八王子にあることなどをきっかけに立ち上げられたこのプロジェクト。「若い層を中心に、もっと幅広いお客様にに訴求できる商品を新しく作り出したい」という希望から、日本工学院とのコラボレーションが実現したものです。応用生物学科から一年生7人がプロジェクトに参加。発案から開発、プレゼンテーションまでを協力し合い、時に悩みながら進めていき、無事に発売までを遂行しました。

開発の基礎を学習、そして市場調査を経てアイディアを形に

まずは、新商品の開発についてのマーケティングの方法や企画の立て方などを学ぶところからスタート。毎週放課後に集まってマーケティングや商品開発の基礎を学び、また新商品を開発する上で「銀座鈴屋」の主力商品である甘納豆についても深く知ることで、古くからの伝統の良さを学びました。
8月には夏休み期間を利用して、各々が気になったスイーツの市場調査を行い、新商品のヒントになるものを模索。その経験からいくつかの着想を形にするため、学生全員で協力し合いながら試作・試食を開始しました。

第1回ミーティング

スクラップ&ビルドを繰り返し、4つの試作品を完成

応用生物学科では、医薬品・食品・化粧品の3つの専門分野で必要とされる、生物や化学を中心的に学びます。普段の授業で学んだ、栄養素の分析や食品の化学的性質など、食品製造について学んだ知識をこのプロジェクトで活かし、学生たちの考えたそれぞれの発想を形にしていく作業を行いました。今までにない和のスィーツという観点から、たくさんの案が出されましたが、試作ではなかなか思うような味や食感にならず、求める品質の達成に苦心しました。問題点をクリアし、商品化を実現する方法を模索し、スクラップ&ビルドを繰り返すなか、7人の学生が工夫を重ねてようやく4つの試作品を完成させることができました。

商品の試作風景と試作品

学生ならではの斬新なアイデア「和のクラフトコーラ」が採用に

9月には銀座鈴屋の方々へのプレゼンテーションと試食会を開催。まず学生たちが考案した4つの新商品について、アイデアの着想から形になるまでのプロセスやそれぞれの特徴をプレゼンテーション。そして実際に学生たちが作成した試作品の試食をお願いしました。結果、4つすべてのアイデアに合格点をいただき、学生の若い発想力から生まれた斬新なアイデアをお褒め頂くことができました。その中でも伝統的な和菓子とクラフトコーラという飲料を組合せた意外性や、味の完成度も高評価だった『八王子コーラ@和(あっとなごみ)』が採用に決定。
『八王子コーラ@和(あっとなごみ)』は、クラフトコーラに一般的に使用されるスパイス類に加え、銀座鈴屋の昭和26年創業以来こだわりの大納言小豆を使った「大納言甘納豆」、ほうじ茶葉などを加えることで「和」のテイストに仕上げられたもの。その後、素材や味にこだわり、試作や改良を重ねるとともに、ミュージックカレッジコンサート・イベント科の学生23名も加わり、商品のネーミングやパッケージ、ロゴ、SNS活用などの販促プロモーションも提案。企業との協働により学生の思いと情熱が込められた商品が完成しました。

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プロの現場で商品開発の
厳しさと楽しさを体感!
完成の達成感は格別です

森 茜穂

応用生物学科2年
三重県立神戸高校出身
日鉄鉱業 研究開発部新素材開発課 内定

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株式会社銀座鈴屋との産学連携プロジェクトのお話があったのは、入学して間もない頃でした。商品開発に興味があったのと、実践で応用科学のスキルが高められるのではと思い参加しました。新しいスイーツをということで、豆にチョコレートをコーティングしたものや、小豆で作ったポテトスティックのようなお菓子など、いくつか提案が出た中に、和菓子と合うテイストのコーラがあったら良いのでは、という意見から考え出したクラフトコーラがありました。実際に鈴屋さんの社長に来ていただいて、4つ提案した中では一番好評で、クラフトコーラが採用されたのです。

アイディアが形になっていく難しさと喜びを経験

私たちは最初、スパイス、あんこ、ソーダを材料にコーラを作っていたのですが、小豆とは別に何か合うものを入れられないかと企業側からご提案をいただき、グレープフルーツや桜などさまざまなテイストを試しました。結局、和菓子にはお茶が最も合うという結論に至り、数多くのお茶の中でもほうじ茶が最も相性が良いことがわかりました。その結果、小豆とほうじ茶を使ったクラフトコーラを開発することにしました。
試作を重ねていくことは大変でしたが、自分たちのアイディアが形になっていく難しさと喜びを経験することができたと思います。

一から体験し、失敗を繰り返すことが成長につながることを実感

一番気をつけたのは、味のまとまりをよくすることです。スパイスもまとまりよく、ほうじ茶のテイストもしっかりと感じられるようにすることに気を使い、何度も試作を重ねました。大変だったのは、すべて一から体験し、失敗を繰り返しながら作り上げていくことでした。何もわからず、解決策が見つからずに作業が止まってしまうこともありましたが、とにかく皆で力を合わせて進めていきました。もちろん先生方のサポートもありましたが、自分たちで経験し、考え、乗り越えていくことでたくさんの知識と技術、スキルを身につけることができたと思います。

プロジェクト参加によって、より学びが深まった充実の2年間

授業での学びにプラスするかたちで実践経験を一年生のうちから得ることができたのは、大きな糧になりました。その後、卒業制作のプロジェクトには1人で取り組んだのですが、このクラフトコーラプロジェクトでの経験があったからこそ、卒業制作も大きな失敗なく進めることができたのだと思います。私にとって、この2つの異なったプロジェクトに関われた経験によって、私の2年間の学びはより充実し、就職も含め大きな結果を残すことができたと思います。

応用生物学科では、産学連携や卒業制作のための食品や化粧品の開発プロジェクトなど、さまざまな形でプロジェクト型学習を行っています。これらのプロジェクトでは、普段の授業で得た知識をものづくりに活かす経験をすることができます。実践によって学びを深め、またコミュニケーション能力や社会人基礎力、そして自ら考え、行動する力を培えるプロジェクト型学習を通じ、みなさんもぜひ、生物・化学の学びと、ものづくりを志してみてください。


■株式会社銀座鈴屋
創業1951年(昭和26年)2月。創業以来、厳選された素材と創業以来受け継がれてきた匠の技により、素材の持つ自然の味を大切に甘納豆一筋に美味求心している。都内近郊の百貨店に店舗を構え、グループ会社として株式会社 鈴屋(銀座鈴屋 八王子工場)を構える。
◎株式会社銀座鈴屋

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