2022年7月20日~9月30日の応募期間で実施しました「第13回高校生デジタルフォトコンテスト」に全国からたくさんのご応募を頂きました。応募総数1,729点という多くの作品の中から、グランプリ以下14作品が決定しました。どの作品も「高校生活」というテーマを存分に表現していて、また、非常に個性的で多彩な作品が数多くあり、審査も非常に難航しましたが、その中から選ばれた14作品です。
清水哲朗氏
横浜市出身。写真学校卒業後、写真家助手を経て、23歳でフリーランスに。ライフワークとしているモンゴルでは、独自の視点で自然風景からスナップ、ドキュメンタリーまで幅広く撮影。2005年「路上少年」で第1回名取洋之助写真賞受賞。個展開催多数。公益社団法人日本写真家協会会員
https://tokyokarasu.com/
川口貴弘氏
日本工学院専門学校デザイン科教員、アートディレクター&グラフィックデザイナー。多摩美術大学デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業後、株式会社日本デザインセンターほかを経て、タックデザイン(takdesign inc.)設立。「デザイン」を通して、さまざまな問題の解決に取り組んでいる。日本デザイン学会会員。
菅野幸男氏
OMデジタルソリューションズ株式会社 Senior Expert
宮城県仙台市出身。ライフワークとして「道端花壇」と題し、通勤路の草花を撮影。フォトマスターエキスパート。映像音響処理技術者認定。
宮城県白石工業高等学校 菅野 琉星さん
期末テストで良い点と悪い点を取ってしまった高校生の様子を再現し、撮影を行いました。
清水哲朗氏
たかがテスト、されどテスト。フィクションと分かっていながら隅々まで凝視、共感してしまうのは自分もそういう経験をしてきたからに他なりません。生徒たちが教卓の周りで一喜一憂している状況はいかにも漫画的なカット割ですが、ぱっと見のわかりやすさとインパクトが審査員の心を掴みました。それぞれの表情が豊かで演技表現力もありハイコントラスト仕上げも高評価につながりました。高校生のノリの良さは皆で何かを作り上げる共同撮影は得意分野かもしれません。 清水哲朗氏
川口貴弘氏
素晴らしいチームワークです!おそらく入念な準備をされたのでしょう。撮影時の楽しさも感じ取れます。隅々まで「遊び心」が行き届いていて、観る者を飽きさせません。まるで絵画のようでもあり、不思議な魅力があります。コロナ禍で、友人や先生と何かを作り上げる機会が少なかったと思われます。今後少しずつ機会を増やし、皆さんの「遊び心」に溢れた作品が生まれることを願っています。これからもチャレンジを続けていって下さい! 川口貴弘氏
奈良県立高田高等学校 玉井 真結さん
リモートの授業で画面の向こうにいるクラスメートに向けた一枚です。全ての授業が終わり、掃除時間になった時、みんなが自然と集まってきました。
清水哲朗氏
とても微笑ましく、今の時代にも合っているなと思ったので、この作品を選びました。画面越しに伝える「会いたい」の気持ち。友達っていいな、学校っていいな、リアルっていいなと思わせてくれる行動に心を揺さぶられました。自然発生的に集まったところにクラスメートの「絆」を感じます。仲間たちの笑顔であふれた画面内は放課後の閑散とした教室を微塵も感じさせず、そこに行けば何かあるのではという期待や希望に満ちています。記録的にもコロナ禍限定の光景と思うとこのイメージを残した意義は大きいように感じます。 清水哲朗氏
菅野幸男氏
すぐに目に留まった写真です。思い浮かんだのは、今年の流行語「青春って、すごく密なので」。
大人のリモート会議ではこうはなりません。
撮影された2022年2月は、新型コロナ感染者が拡大し、学校全体で大勢集まれなかった時期。それでも環境に合わせてコミュニケーションを取る高校生活の楽しさが映し出されています。斜めに撮影したことで、放課後みんなが集まってきた躍動感が生まれています。青春を感じさせる1枚です。
菅野幸男氏
清水哲朗氏
便利な道具も度を越して使うと危険だという皮肉を込めたメッセージ作品。1点集中でスマホを見つめる彼の表情はまさに何かに取り憑かれてしまったかのよう。周囲にチラつく複数の手の存在をまるで気にしていないのは「救いの手」ではなく悪い領域へと引きずりこもうとしている魔の手なのかもしれません。無駄なくシンプルにクローズアップで表現したこととタイトルを「中毒」としないところに作者の類稀な才能とこだわりを感じました。 清水哲朗氏
川口貴弘氏
チームのTシャツまで作ったのに、文化祭が中止になるなんて。とても残念だったことでしょう。しかしながら、大変な時こそ「笑い」が必要です!そして一緒に笑ってくれる仲間がいたら最高です!!本作品を観て、とても頼もしく感じました。この先もしも壁にぶつかった時は、この写真を観て、一緒に笑ってくれる仲間がいたことを思い出して下さい。皆さんの青春の1枚が、ポジティブ思考が大切であることを思い出させてくれるでしょう。 川口貴弘氏
神奈川県立瀬谷高等学校
新池 華鈴さん
これは、放物線….!?
宮城県気仙沼高等学校
西澤 楓季さん
コロナ禍での部活動でも、女子高生バンドのパワーで、苦しさもパワフルに乗り越えて青春を楽しんでいる様子を表現しました。
愛知県立一宮起工科高等学校
豊吉 千江里さん
男の子が先輩で女の子が後輩のカップルです。先輩が女の子の教室に遊びに来て先輩が照れている所を撮りました。想いあってる2人と愛をかけて、題名を想い愛にしました。
沖縄県立美来工科高等学校
田里 友莉さん
放課後の帰り道、私達のキラキラ輝く青春はこうやって適当に歩き、何かを見つけては、時間も忘れて話す事です。お互いに今を切磋琢磨しながら過ごしているからこそ、明るい未来が見え隠れしている。
宮城県白石工業高等学校
佐藤 風雲さん
プール掃除に一生懸命に取り組む人たちを撮影しました。プールの床は本当に滑りやすい。年に一度のイベントにはしゃぐ人がいたようで・・・
兵庫県立御影高等学校
辻 胡春さん
コロナ禍で集団で練習するのが難しい状況で一人で演奏しているのがクールだと思い撮影しました。窓を開けて開放的な空間で演奏しているのも気に入りました。
東京都立向丘高等学校
松田 隼さん
部活終わりに撮った1枚です。疲れている自分と地面に反射している自分が背中越しで「お疲れ、俺!」と会話しているようです。
東京都立産業技術高等専門学校
吉岡 大地さん
思い思いの過ごし方をする休み時間。教室の日常を切り取りました。
宮城県白石工業高等学校
石川 修麻さん
学校生活あるあるだけど現実にはないようなものを探していたときに思いついたものです
宮城県白石工業高等学校
成川 彩翔さん
学校に霊が出ると言う噂があった…。その霊は手が幾つもあったという…
宮城県白石工業高等学校
神奈川県立瀬谷高等学校
愛知県立小牧南高等学校
清水哲朗氏
応募総数1,729作品のうち、230作品が決勝ラウンドに進みました。学年別では2年生の応募が最も多く、3年生、1年生と続くのはこれまでと変わりません。使用カメラはデジタル一眼とスマホで93%、コンパクトデジタル4%、それ以外3%と昨年とほぼ同様。変化を感じたのは被写体との撮影距離。人(被写体)との接し方に物理的距離があったこれまでと比べてグッと近づいて撮影した作品が多く、集団で何かをする光景が多くあったり、仲間との結びつきをより感じました。
高校生活すべてがコロナ禍に置かれた3年生は何をするにも制限や中止が多く、我慢の連続だったかと思います。それでもアイデアを出し合い、置かれている状況で最大限に楽しむことができるのが高校生の持ち味。できないことを議論するのではなく今できることを考えて楽しむ。この経験はきっと今後の人生において困難を乗り越える糧となるでしょう。3年生に限らず、高校生の皆さんの前向きで飾らない姿に共感した作品は多くあり、審査員はどれも高く評価していました。全てを入賞作にできないのが残念ですが、今後も記録、表現、言葉の代わりとして写真撮影を楽しんでいただけたら幸いです。 清水哲朗氏
「第13回 高校生デジタルフォトコンテスト 受賞作品展示会」開催!受賞作品および、今回惜しくも受賞に至らなかった最終審査進出作品も展示しています。
【写真展期間】
2022年12月15日(木)~12月26日(月)
【営業時間】
10:00~18:00(火曜・水曜定休/最終日 15:00まで)
【会 場】
OM SYSTEM PLAZA(旧オリンパスプラザ東京)
〒160-0023 東京都新宿区西新宿1-24-1 エステック情報ビルB1F
Tel:03-5909-0190
アクセス等、詳細は下記をご参照ください。
https://fotopus.com/showroom/tokyo/受賞作品展示会風景
主催 |
日本工学院専門学校 日本工学院八王子専門学校 日本工学院北海道専門学校 |
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共催 |
OMデジタルソリューションズ株式会社 |
協力 |
ウエスタンデジタル合同会社 エプソン販売株式会社 |
後援 |
公益社団法人 全国高等学校文化連盟 |