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ゲームクリエイター科 NEWS & TOPICS

ゲームクリエイター分野のクリエイターを育成するゲームクリエイター専門学校。

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2021年12月24日
蒲田校

学生作品が“TGS メディアアワード2021”特別賞を受賞!

ゲーム業界が注目する作品は、いかにして生まれたのか。
~年間いくつもの力作を生み出す日本工学院の「チーム制作」

ゲームクリエイター科四年制では、豊富な実習時間を活用し、少人数でゲームを作る「チーム制作」を通して、学生一人当たり年間4作品程度を制作します。チーム制作でつくった作品は、学外の人の評価を得るため、腕試しを兼ねてさまざまなゲームコンテストへ積極的に応募。その中で、チーム「CTM」が作ったパズルゲーム『チューズ』が“TGS メディアアワード2021”で特別賞を受賞しました。

“TGS メディアアワード2021”とは、ファミ通(週刊ファミ通+ファミ通.com)、電撃オンライン、4Gamerの3つのゲーム系メディアが、「東京ゲームショウ2021」に出展したゲームタイトルの中から独自に優秀賞・大賞を選出する企画です。ゲームパブリッシャーのリリースタイトルが軒並み受賞する中、学生の作品が受賞するという快挙を達成しました。

『チューズ』は、日本最大級のインディーゲームの祭典“BitSummit THE 8th BIT”で、技術・アイデアなど革新的な作品に贈られる「INNOVATIVE OUTLAW AWARD」(革新的反骨心賞)にもノミネート。また“ぜんため(第4回全国エンタメまつり)”の配信番組の中で、ファミ通グループ代表・林克彦氏に注目のインディーゲームとして取り上げられるなど、ゲーム業界の各方面から注目を集めています。

※蒲田校の場合

“TGS メディアアワード2021”特別賞『チューズ』

●作品名『チューズ』
●制作チーム「CTM」(照平 智章さん/石橋 優太さん/松本 勇真さん/佐藤 公樹さん/竹渕 高樹さん)

【作品概要】天地が地続きになった世界で、オヤブンのためにお供え物を回収するパズルゲーム。ついさっきまで頭上にあった雲を踏みしめ、歩いてきたはずの大地を見上げ、メビウス世界に翻弄されながらも、自身の閃きを頼りに全ステージクリアをめざそう。

『チューズ』の制作プロセス

チーム編成


気の合う仲間とチームを組み、4ヶ月のゲーム制作がスタート。

ゲームクリエイター科(4年制・2年制)では、毎年、学生たちが1年間つくった作品の中から優秀な作品を表彰する学内コンテスト「Kamata Game Awards」を開催しています。その2020年度大会で最優秀賞に輝いたアクションゲーム『KOARABYSS』の制作メンバーが中心となり、『チューズ』の制作チームが誕生しました。

※蒲田校の場合

アクションゲーム『KOARABYSS』画面

年間を通して行われる「チーム制作」は、企画・ゲームエンジン制作・ゲームシステム実装などを担う学生たちが役割を分担し、協力し合ってゲームを制作します。誰とチームを組むかは学生たちの自由。ゲームプログラマーコースとゲームプランナーコースの学生たちは1年次の授業が同じこともあり、普段から気の合う仲間に声をかけ、さまざまなメンバーとチーム制作を行います。今回、“日本ゲーム大賞2021アマチュア部門”に参加するため、『KOARABYSS』のディレクターを務めた照平さんが仲間を募ってチーム「CTM」を結成。2021年2月、『チューズ』の制作がスタートしました。

さまざまなメンバーとチーム制作

企画準備フェーズ


「メビウスの輪」を使った「おもしろさ」をどうデザインすればいい?

ゲーム制作は、準備フェーズと開発フェーズに大きく分かれます。準備フェーズには、企画、プロトタイプ試作、技術検証が含まれ、マルチタスクで(同時並行的に)作業が進行します。今回は“日本ゲーム大賞2021アマチュア部門”の作品募集テーマが「メビウスの輪」という難題だったこともあり、企画段階からテーマの消化に四苦八苦。「メビウスの輪だからこそできる遊び」と「おもしろさ」をどうすれば両立できるのか─。ゲームプランナーコースの2人(照平さん・石橋さん)を中心に全員で企画を出し合い、『チューズ』の原形となる企画が固まったのが4月半ば。気がつけば制作期間は3分の2を経過しており、エントリー締切りが1ヶ月後に迫っていました。

アイデア出し

プロトタイプ試作・技術検証準備フェーズ


自分たちのアイデアは実現可能なのか? 本当におもしろいのか?

企画を練り上げる一方で、ゲームエンジン制作を担う竹渕さんがプロトタイプを試作していきました。それをもとに技術検証を行い、自分たちのアイデアをきちんとカタチにできるのか、それは本当におもしろいのかなどを検証していきました。メビウスの輪を使った3D空間上のオブジェをどこまで自由自在に操れるかという検証はきわめて重要であり、アイデアの幅やゲームの完成度に大きく影響します。5人は技術検証を通して、メビウスの輪に2Dのゲーム画面をいかに表示するか、動作が重くならないか、輪をキレイに見せるにはどうすればよいかなどの懸案事項を一つずつクリアし、4月末にゲームのコアとなる部分ができあがりました。

アイデアをカタチに

ゲームシステム実装開発フェーズ


全員で力を合わせながら、一からゲームを作りあげていく。

開発に残された期間は約1ヶ月。準備フェーズと同様に、各自がマルチタスクで作業を進めていきました。まず、竹渕さんが「DirectX」で自作のゲームエンジンを作りながら、松本さんがそれを用いてゲームシステムを実装。そして、ある程度ゲーム性が出てきた段階で、佐藤さんが中心となってエフェクトやゲームの手触り感を実装していきました。ゲーム性が固まってきたら、石橋さんがどんどんステージをデザイン(レベルデザイン)。この間も検証をくり返しながら企画にも修正を入れ、ノンストップで開発に没頭。そして5月末、とうとう作品が完成しました。

ゲーム制作風景

プレイ会


笑顔、歓声、率直な感想。そのすべてがメンバーたちにとっては貴重な財産。

ゲームは作ったら遊んでもらわないと意味がありません。そのため、ゲームクリエイター科(4年制・2年制)では、作品を制作するたびに必ず授業内で学生同士によるプレイ会を行っています。会場となる教室で学生たちは思い思いにゲームをプレイし、評価シートで「おもしろさ」「統一感」「完成度」の3項目を6段階で評価します。そして、評価結果がランキング形式で貼り出され、率直に感想を言い合うことでゲームクリエイターとしての資質を高めていきます。

ゲームプレイ評価会

『チューズ』は完成直後から学生たちに好評で、「頭の中は混乱するけど、メチャクチャおもしろい」などの声が殺到。プレイ会では人だかりができ、ファンがつくほどの人気を博しました。このことは制作メンバーにとっても良い刺激となり、「おもしろいか、おもしろくないかがストレートに返ってくるので、フィードバックが良い。そしてなにより、自分たちが楽しませたんだという実感を得られるのがうれしい」と、メンバーたちはプレイ会の魅力を語ってくれました。

ゲームデバッグ

『チューズ』制作メンバーインタビュー

4ヶ月間の作品制作を終えて

『チューズ』は、感染症対策の影響もあり、制作はオンライン形式と対面形式を融合したハイブリッド型のスタイルで行われました。各自が自宅で作業を進め、ゲーマー向けのボイスチャットツール「Discord」を使ってやり取りしながら、週一回実習室に集まって制作を進行。4ヶ月間、多くの困難に直面し、共に乗り越えた5人のメンバーに、ゲーム制作の魅力などをうかがいました。

チーム「CTM」メンバー

チーム「CTM」/ (写真左から)松本 勇真さん/石橋 優太さん/照平 智章さん/竹渕 高樹さん/佐藤 公樹さん


照平 智章さん

照平 智章さん/ディレクター、世界観担当
ゲームクリエイター科四年制 ゲームプランナーコース3年

●制作で大変だったことはなんですか?

企画の初期段階では「メビウスの輪ならではの特徴」を追求してもおもしろくならず、逆に「おもしろさ」に制限がかかったような感じでした。でも、その両立に最後までこだわり抜いたおかげで、メビウスの輪ならではのギミックによる「メビウス感の暴力」のようなものが表現できたと思います。

●あなたにとってゲーム制作の魅力とはなんですか?

考えに考え抜いて一つずつ壁を突破していくと、自分自身がレベルアップしたような感覚になれるところです。壁を突破したときの開放感や達成感もすごく楽しいですし、ゲーム制作そのものがメチャクチャおもしろいゲームだと思います。


石橋 優太さん

石橋 優太さん/レベルデザイン担当
ゲームクリエイター科四年制 ゲームプランナーコース3年

●制作で大変だったことはなんですか?

レベルデザインの初期段階は手探りで感覚的に作っていたのですが、みんなにプレイした感想を聞き、ステージを攻略するにあたって「プレイヤーに何を考えてプレイしてほしいのか」が伝わるようなステージを作るのに苦心しました。

●あなたにとってゲーム制作の魅力とはなんですか?

チームで制作に取り組んでいると、企画フェーズ、開発フェーズ、テストプレイのすべてにおいてすごく盛り上がるんです。みんなで山を越えている感じがあって、そこが一番の魅力だと思います。


松本 勇真さん

松本 勇真さん/ゲームシステム実装担当
ゲームクリエイター科四年制 ゲームプログラマーコース3年

●制作で大変だったことはなんですか?

今回のステージがメビウスの輪という今までにない形だったので、メビウスの輪の形に忠実な挙動を実現することが大変でした。右端まで進んだら元の位置に戻る挙動を瞬間移動にすると違和感が生じるので、そこをどうするかが特に難しかったです。

●あなたにとってゲーム制作の魅力とはなんですか?

自分がやりたいゲームを作れるし、作ること自体も楽しいし、作ったゲームで遊ぶのも楽しいし、人に遊んでもらうのも楽しい。ゲーム制作は、自分にとって一番楽しい遊びです。


佐藤 公樹さん

佐藤 公樹さん/ゲーム内演出実装担当
ゲームクリエイター科四年制 ゲームプログラマーコース3年

●制作で大変だったことはなんですか?

エフェクトや演出がゲームの世界観に直結するため、ステージやキャラクターなどの調整にはかなり時間をかけました。修正する部分も多く、大変でした。

●あなたにとってゲーム制作の魅力とはなんですか?

ものづくり全般に共通することかもしれませんが、自分たちの考えたものがカタチになっていく喜びは何ものにも代えがたいです。


竹渕 高樹さん

竹渕 高樹さん/ゲームエンジン制作、一部演出担当
ゲームクリエイター科四年制 ゲームプログラマーコース3年

●制作で大変だったことはなんですか?

僕が作ったゲームエンジンをもとにみんなが開発作業を進めるのですが、必ずバグが生じるので、その修正に時間を割きました。また、フォーマットを決めて作業中のデータを保管するのですが、データの互換性を維持したまま、ゲームエンジンのバージョンを上げて機能を追加していく作業が大変でした。

●あなたにとってゲーム制作の魅力とはなんですか?

僕はゲーム制作そのものではなく、ゲームを作る土台を制作することに興味があります。ゲームエンジンを作ることで、自分の技能を向上させていくことが楽しいんです。

日本工学院でゲーム作りにチャレンジしてみませんか

幸田 健志先生

日本工学院デザインカレッジ
ゲームクリエイター科四年制
教員:幸田 健志

チーム制作の意義

「ゲーム制作」を通じて、ゲーム業界へ就職するために必要な力を養います。

ゲーム業界で活躍するゲームクリエイターたちは、チームで作品を仕上げます。したがって、学生がゲーム業界へ就職するためには、在学中にゲームをたくさん作り、ゲーム制作のスキルを高めなければなりません。そして、ゲームを完成させるために仲間と自発的なコミュニケーションをくり返し、ゲームとしてのクオリティや完成度を高めるトレーニングを行って実践力を身につける必要があります。「チーム制作」は、そのための授業です。学生たちは既製のゲームエンジンに頼らず、プログラミング言語を使ってゲームを一から作っていくことで基礎力をしっかり養い、ゲーム業界が求めるスキルを着実に身につけていきます。

ゲームコンテストに参加する意義

ゲームコンテストは腕試しの場であり、スキルアップをはかる絶好の機会です。

私たちにとって、ゲームコンテストは腕試しの場であり、一つの通過点です。コンテストでの受賞を目的に作品を制作しているわけではありませんし、ゲームコンテストで評価されないからといって学生たちが身につけたスキルが無駄になるわけでもありません。私たちは学内で作品コンテストを行い、カリキュラムに沿ってしっかり勉強しているかどうかを正しく評価しています。では、なぜゲームコンテストに参加するかといえば、学外の人の反応を得ることが良い刺激となり、さらなるスキルアップのためのモチベーションになるからです。ゲームを一から作る学校は少なく、ゲームコンテストで受賞するためにはそれが不利に働くこともありますが、むしろ不利な状態で受賞した方が価値は高いと私たちは思っています。

ゲーム実習

日本工学院で学ぶ意義

同じ夢を持つ仲間と一緒に、楽しみながらゲーム作りを学びましょう。

いまやインターネットと本があれば誰でもゲームを開発できる時代です。では、ゲーム開発を学校で学ぶ意義とは何でしょうか。それは、同じ道を志す仲間たちの存在です。日本工学院には多くの仲間が集い、同じ夢に向かって刺激し合いながらゲーム制作に励んでいます。「あのチームはおもしろいゲームを作っている。負けていられない」という感情は、インターネットからは絶対得られません。だから私たちは、お互い刺激になるようなゲームを作っていこう、少しずつでも成果を出す努力をしていこうと切磋琢磨しています。また、日本工学院ではゲーム業界が求めるスキルを楽しみながら身につけられる良質なカリキュラムを整え、それらを楽しく教えられる指導者も充実しています。興味のある人は、ぜひオープンキャンパス+体験入学にお越しください。夢に向かって一緒にゲーム作りを楽しみましょう。


◎日本工学院 ゲームクリエイター科四年制/ゲームクリエイター科
https://www.neec.ac.jp/department/design/gamecreator/

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