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ITスペシャリスト科 NEWS & TOPICS

ITスペシャリスト分野のエンジニアを育成するITスペシャリスト専門学校。

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2023年10月10日
教育蒲田校

「aibo」をIT教育用の教材として導入

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ITスペシャリスト科では2023年4月よりソニーのエンタテインメントロボット「aibo」をプログラミング教育、IoT教育用の教材として正式導入しています。4月に行われた「aibo」の開発チームに所属するソニーグループ株式会社の片山様による講義に始まり、授業内では実際に学生がプログラミングを実施。「aibo」をどのように活用し動かすかを考え、プランニングからプログラミング、プレゼンテーションまでを行っています。
「aibo」を活用したITの学びについて、そして実際に授業で取り組んでいる内容などをITスペシャリスト科の中西真也先生にお話ししていただきました。


『IoTものづくり実習』では、
aiboを活用した学びを実践しています

ITスペシャリスト科 科長
中西 真也 先生

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ITスペシャリスト科では今年度の始めより、ソニーのエンタテインメントロボット「aibo」を教材として導入いたしました。「aibo」以前にはレゴブロックのマインドストームを使用していましたが、より高度な機能と拡張性を持ち、より人に寄り添うロボットとして親しみがあり、プログラムのアウトプットとしても理解しやすいことから「aibo」の採用を決定。ソニーグループ株式会社にご協力いただき、「aibo」を導入した実習を行なっています。
「aibo」を活用する授業『IoTものづくり実習』の第一回では、「aibo」の開発チームに所属するソニーグループ株式会社の片山様に来校していただき講義を開催。「aibo」のさまざまな機能の説明や、プログラム、クラウドについてなどの専門的なお話から、開発秘話、「aibo」に対する思いなどをお話していただきました。その講義をスタートとして、現在、学生たちは実際に「aibo」を使った実習を、楽しんで意欲的に取り組んでいます。

学生主体で企画、プログラミングを行い、
aiboを自由に動かし動画を撮影

「aibo」は常時インターネットに繋がり、ソフトウェアのアップデートをすることができます。またプログラミングすることで標準では備わっていない機能や動きを追加することができるロボットです。プログラミングには二つの方法があり、ビジュアルプログラミングという、ブロックを組み合わせて視覚的にプログラミングができる仕組みでプログラムを作る方法と、Pythonというコンピュータ言語を使ったプログラミングが可能です。
授業では、学生のグループごとに一台ずつ「aibo」を使用。「aibo」とコミュニケーションをすることで、「aibo」にできることを知り、自由にプログラムを組んで「aibo」を動かしてみます。そしてグループで話し合う中でテーマと「aibo」にさせたいミッションを企画し、プログラミングを行い、その結果を動画にしてプレゼンテーションを行うまでを学生主体で行なっていただきます。

aiboでの学習を通じて、プログラミング、
クラウド、AI、そしてヒューマンスキルを養います

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前期は基本として、プログラム単体で動くものやブロックプログラミングを使っての取り組みを中心に行いましたが、後期からはより高度な実習を実施していきます。Pythonを使ってのプログラミングによって、「aibo」とWebとの接続によるWebサイト上での情報収集や、他の機器やアプリとの連携といったことへの取り組みにもチャレンジ。プログラミングのスキルと同時に、クラウドの使い方や、AIについても学び、そして企画からプレゼンテーションまでのヒューマンスキルも養える実習となります。
プログラミングの学習は、単体で学ぶとそのプログラムがどこでどのように使われるのかがイメージしにくいのですが、「aibo」を使うことで実際に自分の作ったプログラムがどう動くのかを実際に見て理解することが可能です。また、そのプログラムをどのように製品化し、人の役に立つことができるかなどを想像しやすくなります。「aibo」での学習を通じて、ITを学ぶことの楽しさを感じていただき、これからの未来を見据えたアイディアと技術を生み出すエンジニアをめざして欲しいと思います。

aiboの授業に参加した学生へインタビュー

内海 陽渚

内海 陽渚

ITスペシャリスト科1年
私立NHK学園高校出身

IT未経験だった私も、aiboによって楽しみながらスキルアップ

「aibo」を使った授業『IoTものづくり実習』は入学後すぐに始まりました。「aibo」の存在を知ってはいましたが、間近で見て触るのは初めて。先生に「aibo」のプログラミングの参考資料を見せていただき、実際に自分たちでプログラムを組んでみるという流れのなかで、まったくIT未経験だった私も、わくわくと楽しみながらプログラミングに取り組むことができました。
私たちが行ったのはプログラミングの基礎であるブロックプログラミング(ビジュアルプログラミング)です。どのような時にどんな反応をするかというのを、画面上でブロック化された指示を組み立てていくことでプログラムが完成するもので、声をかけたら吠える、撫でると嬉しい感情を示すなど、自分の組んだプログラムが実際に形となって「aibo」が反応してくれるのが嬉しく、どんどんとプログラミングの作業に引き込まれました。

グループワークの経験では、多くのことを学ぶことができました

「aibo」の操作に慣れてきたところで、グループワークを開始。3〜4人のグループで「aibo」にどのようなことをさせるか企画を考え、プログラミングをし、プレゼンテーション動画を作成します。それぞれプログラミング、撮影、動画編集といった役割を分担し、全員で意見を出し合って進めていきました。その時はまだクラスメイトともそれほど話したこともなかったのですが、グループワークで「aibo」を通して自然とコミュニケーションをとり、みんなと親しくなっていくことができました。
私たちのグループは、「aibo」が人に寄り添って健康や生活習慣をサポートするプログラムを作ろうと考えました。時間になるとラジオ体操の曲を流し、「aibo」がいっしょに体操をしてくれるプログラムと、時間になったらテレビの方へユーザーを誘導し、ニュースや天気予報を見るように促すプログラムを作成。はじめはなかなか思うように動いてくれなくて、色々と試行錯誤しながら何度もチャレンジしました。最後にしっかりと「aibo」が動いてくれて、動画も企画通りに撮影することができた時は、グループみんなで喜び、達成感を味わうことができました。

aiboとの学びのおかげで自分の将来の選択肢が大きく拡がりました

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これからはPythonを使い、さらに複雑なプログラミングに挑戦していきたいです。「aibo」のおかげで、まったくの初心者だった私もすんなりとプログラミングについて学ぶことができていますし、また学んだことがどのように生かされるのかというのを「aibo」を通して知り、実感することができています。この「aibo」の授業のおかげでITスキルを生かしたプロダクトの企画の面白さを知ることができ、自分の将来の選択肢が大きく拡がったように思います。

aiboとは?

「aibo(アイボ)」は、搭載したカメラなどのセンサーとAIの組み合わせによって、状況を認識して自律的な行動が可能な犬型のコミュニケーションロボット。日々の行動はクラウドに情報として記憶され、ユーザーとのコミュニケーションによって個性を持ち成長するように設計されています。

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ソニーグループ株式会社ご担当社様からのメッセージ

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ソニーグループ株式会社
aibo開発チーム プロダクト企画
片山 健 様

aiboはエンタテインメントロボットであると共に、
IT教育教材としても優秀な存在です

2018年に発売を開始した新型「aibo」は、各種センサーによって外からの情報を得てAIが学習し、オーナーとのコミュニケーションを実現させるエンタテインメントロボットで、全国に数多くのオーナーがいらっしゃいます。「aibo」は専用のクラウドと常に通信し、記憶やその他のデータをやりとりし、成長・アップデートをし続けることが可能です。また簡単に「aibo」の動きをプログラミングできる「aiboビジュアルプログラミング」やaiboを動かすためのWebAPIを自由に活用できる「aiboデベロッパープログラム」を通じて、さまざまな方にプログラミングの楽しさやAIロボティクスについて知っていただくことができます。
ソニーでは「aibo」のオリジナルアプリケーションを作る「高校生のエンジニア体験」といった企画や、各種プログラミングのワークショップなども実施。そして今年度より、日本工学院との連携で、ITスペシャリスト科の授業で、「aibo」を教材として導入いただいています。

aibo連携アプリの開発体験は、
ITを学ぶ上での大きなアドバンテージ

「aibo」はプログラミングについて理解するのに最適な存在です。おでこを撫でたらお手をするといった反応・行動を順序を立ててプログラムを作り、実際に「aibo」を動かすことで、そのプログラムを確認することができます。また「aibo」によってクラウドやIoTなどの技術を深く学んでいくことも可能です。ソニーでは「aibo連携アプリ」という形で、企業や個人が開発した「aibo」とつながるアプリケーションを、すべての「aibo」オーナーがご自身の「aibo」に連携させ、実際に利用することができる仕組みを設けています。学生のみなさんが開発したプログラムをお客様に使用していただき、そのリアクションを直接知る。そしてそこからさらに深く、実際にどういう機能を作ったらお客さんが喜ぶか、機能やサービスの内容の要件を決めて、しっかりとバグ無く動くものとしてクオリティを持って作っていく。このような体験ができるのは、ITを学ぶ上で大きなアドバンテージとなり、社会で活躍するための大きな糧となるはずです。

プログラミングやIT、AIは難しいけど面白い、
aiboをきっかけにITの世界へ踏み出してください

私が行った講義では、学生のみなさんが熱心に耳を傾けて聞いていただき、プログラミングについても直感的に理解し、興味を持って取り組んでいる様子が印象的でした。講義が終わった後も、たくさんの方から質問を受け、とても意欲的に学ばれているのを感じました。今後ITスペシャリスト科のみなさんがどのようなアイディアを持って「aibo」とつながるアプリケーションを開発するか、とても楽しみにしています。
プログラミングやIT、AIについて学ぶことは決して簡単ではありません。しかし複雑で難しいものでも、その結果によってどのような価値が生まれているのかを知れば面白くなってくると思います。「これがどうして動くのだろう」「どういう仕組みだろう」と思った時に、その中身について曖昧では無く明確に理解を深めていくことができるのがITのいいところです。その知ろうとする過程を楽しめる方にとっては、ITは最適な分野だと思います。まずは一歩踏み出してみて欲しいと思います。「aibo」がそのきっかけになったらうれしいですね。

aibo ホームページ
https://aibo.sony.jp


◎ITスペシャリスト科
https://www.neec.ac.jp/department/it/specialist/

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