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Vol.2 IT業界って、どんなところ?

IT系資格対策の第一人者 大滝みや子先生が語るIT業界の仕事。

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日本工学院八王子専門学校で、かれこれ十数年にわたってITを教えてきた大滝みや子先生。学内ではクラス担任でありながら、学外では”合格の女神様”として試験対策の分野ではつとに有名な存在です。そんな大滝先生が語る「資格論」には、資格取得のコツのみならず、日常生活をどう送るべきかが示されています。かつてIT業界でプロジェクトリーダーを務めた先生が解く、小手先ではない「現場感覚の資格論」とは───。
将来、IT業界に就職したい人、ITの資格取得をめざす人が抱く疑問にすべて答えていただきました。

もくじ

プロフィール

IT企業で地球科学分野を中心としたソフトウェア開発に従事した後、日本工学院八王子専門学校の教員に。現在、ITスペシャリスト科システム専攻のクラス担任を務め、C言語、データベース、情報理論、および情報処理技術者試験などの資格対策科目を担当。平成10年(1998年)より試験対策テキストの執筆を始め、そのわかりやすさと合格率の高さから、学研の試験対策誌『月刊 合格情報処理』(現在休刊中)で、「合格の女神様」と称されるようになった。大滝先生のクラスでもこれまで延べ200名以上が情報処理技術者試験に合格。その合格率は全国平均を大きく上回り、数多くの卒業生が資格を手にIT業界で活躍中。「応用情報技術者 合格教本」「応用情報技術者 試験によくでる問題集【午前】」「要点早わかり 応用情報技術者 ポケット攻略本」(以上、技術評論社)「基本情報技術者 スピードアンサー338」(翔泳社)「基本情報技術者 かんたんアルゴリズム解法―流れ図と擬似言語」(リックテレコム)「基本情報技術者 午前の集中学習」「基本情報技術者 午後の集中学習」(以上,オーム社)「基本情報 SQLドリル」「基本情報+ITパスポート 計算ドリル」(以上、実教出版)ほかこれまでの著作は70 冊以上。 好きなアーティストは、フレディ・マーキュリー(Queen)、マイケル・ジャクソン、キミ・ライコネン(F1ドライバー)。趣味は、海外旅行とF1観戦。

第2回

IT業界ってどんなところ?

── ITのお仕事

学生はIT業界にどんなイメージを持って入学してきますか?

「楽しそう」というだけで、具体的なイメージを持っている学生は少ないですね。IT業界の仕事は、開発系、運用系、ネットワーク系の3つに分類され、それぞれにさまざまな職種が存在しますが、私はむしろ具体的なイメージは持たなくていい、将来の進路を決め込まない方がいいと思っています。というのも、実際の現場では例えばシステムを開発する際、WEBも組込み技術もやらなきゃいけない場面がある。私自身も経験しました。なので、あまり細かく決め込まず、3つの分類のうち何をやりたいかだけ決めておけば、後は自然に道が定まってくると思いますよ。

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「ビジネス系」は、主に一般企業においてITを駆使する仕事全般を指します。

ITの仕事は3つの分野から成り立っているのですか?

おおまかに言えば、そうですね。例えば、銀行のATM。あれにはいろんな技術が関わっていて、入出金の際にお札をパーッと計算する部分はセンサでコンピュータ制御されているんですが、そこには組込み技術が関わっています。また、もちろんATMの裏に人間がいるわけじゃなく、入出金のデータはネットワーク技術で本部にある基幹のコンピュータに送られています。そして、基幹のコンピュータでは集計などさまざまなプログラムが走っている──。要するに、運用系、ネットワーク系、開発系の3つが合わさってひとつのシステムを形作っているんです。ネットバンキングを含めると、さらにWEBやセキュリティも絡んできます。

── 基礎力の重要性

とはいえ、最初から特定の職種をめざしたいという学生もいるのでは?

なかにはいますね。ただ、例えばネットワークエンジニアをめざすからといって、シスコシステムズのルータのことだけわかればいいかというと、そうではない。先日も、ネットワーク専攻の学生たちが授業中に基本情報技術者試験の問題を解いていた時、「アルゴリズムなんて関係ないよ」って話していたのをたまたま耳にしたんです。こづいてやりましたよ、「バカもん!あなたたちにとって一番重要なものじゃないか」って(笑)。そしたら、「エーッ」って顔をしていました。意外だったんでしょうね。実はアルゴリズムの中にグラフ理論というのがあって、それがネットワークの設計には必要なんです。

特定の職種をめざすにしても特定の技術だけじゃ不十分だと?

基礎もしっかり学ばず、専門的なことばかり学んでも後々ボロが出てきます。それと、基礎となる部分の幅を広く持っておいた方がいろんな企業や職種に対応できるので、可能性も広がります。私の敬愛するフレディ・マーキュリーやキミ・ライコネンなどは天才ですから、標準値を持っていなくてもいいんです。でも私たちのような人間は、標準値も持たぬまま、わずかに突出しても、ただの変わり者にしか思われない(笑)。標準となるベースをしっかり持ち、その上にネットワークやデータベースなどの専門を立てるべきだと思うんです。

基礎力・専門力・現場力の関係
── IT業界の実態

IT業界における仕事の流れってどんな感じなのですか?

先ほど話した銀行を例に取ると、まず銀行がこういうシステムを作りたいと言うわけです。それを受け、大手のIT企業らが名乗りを上げて受注を競い、その中の一社が一括で仕事を受けます。小さな企業は、その元請け会社から例えばWEBシステムの部分だけを受注し、開発するんですよ。さらに小さな会社になると、その下請け会社からWEBのプログラムだけを受けたりします。それが一般的な仕事の流れです。だから、どの企業に就職するかによって、同じ職種でも仕事の内容は違ってきます。

仕事の流れ

面白そうでもあり大変そうな業界ですね?

はい。開発系の場合、最初はプログラムを作ることだけで楽しいんです。でも、それは大きなシステムの一部に過ぎないので、そのうち全体が見えないことに気付くんですよ。すると、プログラムだけやっていても面白くないと感じ始める。客観的にわかってくるにつれ、ちょっとイヤになってくるんですね。そして、やがて停滞期を迎えるんです。それが入社して2〜3年目。だから、この時期の転職率が一番高いんです。事実、自分の力を過信して「仕事を辞めたい」「他の会社に行きたい」と私に言ってきた卒業生は何人もいます。そのたび私は「まだ早い。6〜7年待ちなさい」と言っています。6〜7年経つと、その過程でユーザーとの折衝などを通してシステムの設計に関われますから、新たな面白さが出てくるんですよ。プロジェクトの先頭に立てるようになるのも、大体入社後6〜7年目ですし。私のクラスの卒業生たちはいまそこにいるので、最初の頃はずいぶんグチを聞かされましたけど(笑)、未だに辞めていないですね。

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仕事の味わいが経験と共に深まっていく世界なんですね?

そうですね。それと会社員時代、仕事仲間からこんな話を聞いたことがあります。システム開発の仕事はピラミッドと構造が似ていて、一番上まで登り詰めると美味しい蜜をいっぱい味わえると。実際、一番上が決めたシステムを中間層が設計し、その下の層が実装(プログラミング)しているんです。実装すること自体楽しいかもしれないけど、中間層が決めた通りに作るわけですから、やはりめざすならてっぺんですよね。そこまで行って初めて本当の醍醐味が味わえるんだと思います。ただ、IT業界には宝がいっぱいあるので、他人に頼らず自分で見つけてほしいですね。

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── IT業界の魅力

現場経験もある先生からご覧になってIT業界の魅力とは何ですか?

ひとつは、可能性が豊かな業界だということです。私が勤めていた頃と比べ、特にインターネットの登場を契機に、IT業界は大きく成長しました。ITはグローバルな技術なので、今では人件費の安いタイやミャンマーの会社にプログラミングを任せている国内企業もあります。そうなると、自分にプログラム能力がなくても、人間力と語学力さえあれば、国内と海外を結ぶ橋渡しの仕事だってできるんです。それを含めると、どれだけ可能性があることか。

最近ではフリーで活躍するIT系技術者もいるらしいですね?

特にプログラマやWEBエンジニアの中にはフリーで働いている人もいます。私のクラスの卒業生でも、IT企業にプログラマとして入社し、結婚を機に退社して、自宅でネットワーク系のインフラに関する仕事をしている人がいます。自分自身で可能性を見つけたんですね。自分の人生計画に合わせて、フレキシブルに働き方や職種を変えることが可能なんです。それもIT業界の大きな特徴だと思います。

職種も変えられるんですか?

もちろん基礎をしっかり学んでおくことが大前提です。でも、一旦基礎力を身につければ、例えばネットワーク系から運用系の仕事に移ることも可能です。俗に言えば”つぶしが効く”んですよ。(Job Mapを見ながら)これだけ職種があるんですから。実はこれこそが最大の魅力だと、私は思っています。

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授業中は各々メモを取りながら真剣に先生の話に聴き入る

── IT業界が求める人材

IT業界はどういう学生を求めているのでしょうか?

一言で言えば、入社してから伸びる学生でしょうね。採用試験の面接で「御社で世の中に役立つシステムを作りたい」と言う学生もいますが、それは何年も先の話です。企業は、基礎ができているか、また人間力があるかを見ています。それらに加えて資格を持っていれば、間違いなく就職できると思います。資格を持っていることで、企業は(資格取得という)目標に向けて努力できる人だと判断しますから。

在学中に資格を取っても入社後は努力を怠る人もいそうですが?

少なくとも私の教え子にはいませんね。逆に、卒業後に会っても「次に受ける資格はコレです」と私に言ってきたりします(笑)。学生時代に次に何を受けるか、常に私に考えさせられるので、試験恐怖症じゃなくなっているんです。働きながら勉強し、相当高度な資格を取っている卒業生は何人もいますよ。”資格を得ることが目的ではない。勉強することが重要なんだ”と知っているんですね。それと、上に行けば行くほど、大学卒や大学院卒の仲間たちと競い合わなくちゃいけない。その時、資格が自信の源になるんじゃないでしょうか。実際、ある企業から伺った話なんですが、その会社で初めてデータベーススペシャリスト試験に合格したのが私のクラスの卒業生なんですって。入社して2年後に合格したらしいんです。社長がたいへん喜んだそうで、「大滝先生にビール券送れ」って(笑)。それぐらい、IT業界では資格って評価されるんです。

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現在の大滝クラス。もちろん全員が資格保有者だ

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