日本工学院 八王子キャンパスに、建築学科(四年制)および建築設計科の新実習施設「アーキテクトビルダー・スタジオ(AB Studio)」が完成しました。建築系学科のエグゼクティブアドバイザーを務める建築家 渡辺真理氏監修のもと、学生の創作意欲を高める2つの実習スタジオ(A・B)のほか、学生作品展示コーナーや建築関連の書籍を豊富に揃えた書棚も完備。次世代の建築デザイン教育を見据えた、理想的な学習環境を追求しています。
エントランス
エントランスの正面にある飾り棚の足元には、ラテン語で「やればできる」を意味する「Si potes probare」の文字を配置。ここで学ぶことで、できなかったことができるようになる。そんなメッセージが込められた空間です。
LVL壁面パネル(施設内全面)
LVL(Laminated Veneer Lumber/単板積層材)を壁面パネルとして使用。ロータリーレースやスライサーなどの切削機械で切削された単板(Veneer)の繊維方向を平行にして積層・接着された生産性の高い木材加工製品です。面材のほかには柱、梁(はり)、土台等の主要な構造材として活用します。建築材料も様々あります。
Aスタジオ
Bスタジオ
スタジオ実習室
AスタジオとBスタジオに完備されているプロジェクターは、学生や教員のデバイスとWi-Fiで接続可能。また、スタジオ内の壁面はホワイトボードになっているため、アイデア等を自由に書き留めておくことができます。
パターン・ランゲージ【床材に込めた学生へのメッセージ】
建築を学ぶ上で、大事なもの(マインド・スキルなど)を教員が2年以上にわたり議論、検討を重ね、言語化(パターン・ランゲージ)した18の言語がスタジオ内や各所の床材に埋め込まれています。建築のプロフェッショナルをめざす学生たちへ、業界経験者の教員から学生へのメッセージでもあります。
Stone Spacimen
石材の見本を並べているエリア。御影石の磨き方による仕上がりの違い等を、実際に見て、触れて、学ぶことが可能です。
Exhibition Counter
学生作品や過去の優秀作品を一堂に展示できる、長さ 12mのカウンター。今注目の木質系材料「CLT」をモールテックスで仕上げることで、美しさや強度、耐水性を高めています。CLTの断面がわかる小口にも注目!
Bench
本実習室の多くの場所で使われている、注目の木質系材料「CLT」で作られた大型ベンチ。片持ち(キャンチレバー)のため、スリリングな座り心地を体験可能!
CLT(Cross Laminated Timber/直交集成板)
ひき板を繊維方向が直交するように積層接着したパネルです。
銘木コーナー(写真左手前) | 東京十二木(写真右奥) |
和室の床の間に使用される、「化粧」を施した木材を展示。有名なものから希少性の高いものまで、多種多様な銘木に実際に触れ、学ぶことが可能です。 | 多摩産材を12本展示している東京十二木。4月は「桜の木」など、1月から12月までの代表的な樹木を展示しています。 |
高性能3Dプリンター
ゆったりとした作業しやすいスペースに、最新のワークステーションを配置。導入するソフトも「AutoCAD」「CATIA」「VectorWorks」など最高水準のものを揃えています。
最新鋭レーザーカッター加工機
最新のデジタル技術を用いて、模型やモックアップの製作ができるレーザー加工機と、3Dプリンターを備えたLABOを開設。レーザー加工機は、高い精度と速度を誇る、Trotec社の「Speedy300」を導入。精度の高い模型製作はもちろん、スツール程度の大きさであれば、原寸モックアップも作成可能です。
建築家 渡辺真理氏がエグゼクティブアドバイザーに就任
建築家/組織設計ADH 代表 渡辺 真理 建築学科(四年制)および建築設計科のエグゼクティブアドバイザーに就任した建築家 渡辺真理氏が、建築系学科の新実習施設「アーキテクトビルダー・スタジオ(AB Studio)」の設計デザインを監修。渡辺真理氏の豊富な経験、実績、知見を生かして、より実践的な建築教育を展開します。 |
京都大学卒業、京都大学大学院、ハーバード大学デザイン学部大学院を修了。磯崎新アトリエを経て、木下庸子と共に設計組織ADHを設立。法政大学デザイン工学部 建築学科教授(~2021年3月)。日本建築学会教育賞(教育貢献)、「真壁伝承館」日本建築学会賞(作品)受賞、建築業協会BCS賞、日本建築家協会賞、グッドデザイン賞金賞(東雲キャナルコート中央ゾーン)、JIA環境建築賞優秀賞、新エネ大賞経済産業大臣賞、環境設備デザイン賞最優秀賞(西播磨総合庁舎)、日本建築士会連合会優秀賞(日本基督教団ユーカリが丘教会+光の子児童センター) 他