「応用生物学」とは、基礎生物学の知識を実世界の問題解決に活かす学問分野です。動物、植物、微生物の仕組みや機能を理解し、それを医薬品開発、食品製造、化粧品製造、環境問題の解決など、人間の生活を豊かにする技術開発に利用します。健康や美の促進、安全でより良い環境を生み出すための「ものづくり」に欠かすことのできない学びの一つです。応用生物学の専門家は、科学的な知識と実践的な応用力を兼ね備え、豊かで持続可能な社会の構築に向けて重要な役割を果たしています。
医薬品分野での活用◯バイオ医薬品などの創薬 ◯医療機器の安全性評価 など |
食品分野での活用◯食物の品種改良や機能性食品開発 ◯発酵食品の製造 など |
化粧品分野での活用◯コスメ新素材の開発 ◯スキンケア成分の開発・分析 など |
環境分野での活用◯バイオ燃料や排水処理 ◯環境保全に関わる分析・検査 など |
日本工学院 応用生物学科は、医薬品や食品、化粧品などの製造業の現場で、製造、分析、品質管理を行うことのできるエキスパートを育成。2年間の学習・経験で、専門知識とスキル、資格、そして道徳観や倫理観といったマインドも養い、「ものづくり」の現場で活躍する人材をめざします。
分析科学、生化学、遺伝子工学、分子生物学や免疫学など、専門性の高い知識・スキルをステップアップ型のカリキュラムで学びます。また、生命現象を理解するうえで不可欠な基礎化学などの関連知識を理解し、バイオテクノロジーの専門家として必要な総合的能力を育みます。
多くの実験実習や産学連携プロジェクト、自主的に行うプロジェクト型学習によって、実践でスキルを高めるとともに、自分で考え行動する自主性を身につけます。
社会人として必要な素養、そして人の命や健康に直結する製品を扱う上で重要な倫理感、道徳心、そして顧客意識などを、実習やプロジェクトの中でしっかりと育みます。
先生からのメッセージ
日本工学院 テクノロジーカレッジ
応用生物学科教師
森内 寛 教員
日本工学院 応用生物学科は、同じくバイオテクノロジーを学ぶ大学と学ぶことは同様で、学習内容に何も遜色はありません。しかし、研究が中心の大学と違い、当学科では化学的な知識・スキルを使い、ものづくりの現場で活躍するプロフェッショナルを育成するための実践教育を行なっています。化粧品や食品、医療品などの製造現場で、顧客の健康、安全を守るための開発・分析・品質管理を行う技術者をめざし、プロの専門知識・スキルを、座学とともに実習やプロジェクトを通じて実践で養います。
また、ものづくりの先にある顧客を意識することを学ぶのも本科の特徴です。多くの人の健康や安全、命にも携わる仕事だということを強く認識し、倫理や道徳を持ち、責任感を持って仕事に取り組むことを授業や実習内で指導しています。
卒業後は、業界や、社会から求められる、バイオテクノロジーのプロとして幅広い業界での活躍が可能。応用生物学科での2年間は、これからのものづくりの現場を担うスキルを習得するための充実した教育を行なっています。
応用生物学、バイオテクノロジーと言うと、とても難解で入り込みにくいジャンルに思われがちですが、動物や植物、微生物などの仕組みを知ることはとても面白く、また、私たちの身近なものにその技術を応用することができる楽しさに溢れています。そして実験やものづくりが好きな方にもぴったりの学びです。初心者でも何も問題ありません、みなさんぜひ興味を持ってチャレンジしてみてください。