ゲームクリエイター科 4年・2年
4年連続!インディーゲームの祭典『BitSummi...
2024/07/23
ゲームプランナーとは、常におもしろさを考え、ゲームを通して人を笑顔にする、とっても楽しい職業です。それだけに、基礎的なプログラミングスキルから、ゲームのジャンルに関する幅広い知識、制作プロセス全体に対する理解まで、さまざまな知識や能力が必要になります。ゲームディレクターやゲームプロデューサーになると、さらに制作チームをまとめる力やビジネス的な視点も必要になってきます。それらをゼロから学ぶのが、ゲームプランナーコースです。実習では、チーム制作を中心に、ゲームプランナーに必要な実践力を養います。
ゲームプランナーはチーム全体のまとめ役を担うことが多いため、ゲーム制作、ディレクション、制作進行管理、プロデュースなどについて一通りの知識を身につけます。そのうえで、ゲームプランナーが大きな役割を果たす「企画段階」と「設計段階」について、チーム制作を通してじっくりと学んでいきます。
ゲームプランナーコースで学ぶ主な領域(企画段階・設計段階など)
※ゲームクリエイター科四年制/ゲームクリエイター科では、上記すべての制作工程について学びます。
ゲームプランナーコースでは、段階式のカリキュラムでゲームプランナーに必要なスキルを身につけていきます。1年次にプログラミングやゲームエンジンの基礎を学んだ学生は、2年次に本コースを選択し、企画や仕様書の書き方を実践的に学びます。3年次以降は、チーム制作の中でチームの中心となり、チーム全体をディレクションしたり、制作工程をマネジメントする能力を養っていきます。
年次ごとの学びの流れ
4年制 | |
1年次 | ゲーム開発基礎(プログラミング基礎、ゲームデザイン基礎、ゲームプロジェクト基礎) ゲームエンジン基礎、数学基礎、教養、キャリアデザイン |
ミニゲームなどの制作 | |
2年次 | 個人ゲーム開発 レベルデザイン |
ゲームなどの制作(コンテスト応募、イベント展示) | |
3年次 | 仕様書作成 企画書プレゼンテーション |
就職作品制作 | |
4年次 | ゲームプログラミング 応用・制作 |
卒業制作 | |
卒業(就職・大学院進学) | |
どんなにおもしろいアイデアを思いついても、ゲームはプログラムを組まない限り動きません。そのため、ゲームプランナー志望の学生もプログラムのしくみを理解できるよう、1年次にプログラミングの基礎をしっかり学びます。2年次以降に行われるチーム制作では、ゲームプランナーコースの学生がディレクターの役割を担うことが多いため、プログラミングについての知識があればプログラミング担当の学生の苦労に共感できたり、より具体的な指示をすることができます。
1年次に学んだプログラミングスキルを活かし、2年次にかけて一人でミニゲームなどを制作します。その目的は、一人でゲームを完成させることにより、ゲーム制作のすべてのプロセスを理解し、ゲーム作りのたいへんさも実感できるため。この経験が後のチーム制作で制作メンバーに対するリスペクトにつながり、チームをまとめていくための土台になります。
2年次から始まるチーム制作は、他のコースの仲間と自由にチームを組み、一つの作品につき数ヶ月〜半年程度の時間をかけて、いろいろなジャンルのゲームを作っていきます。授業で課題が与えられることもあれば、ゲームコンペティションの課題に基づいて制作する場合もあります。ゲームプランナーコースの学生たちは、チームの中心となってアイデアを仕様書にまとめ上げていく中で、チームを仕切る力、思いを正しく相手に伝達する力、ゲームのしくみをデザインする力などが身につき、学年が上がるほどそのレベルが高くなっていきます。
チーム制作では、チームメンバー全員がチームに貢献する役割を担います。そのため、ゲームプランナーコース以外の学生も全員がアイデアをいくつか持ち寄ります。そして、一つ一つのアイデアをポジティブな姿勢で確認していきます。すると、一つのアイデアをきっかけに発想が膨らみ、アイデアがチーム全体に爆発的に広がっていくことがあります。このとき、ゲームプランナーコースの学生も日頃の勉強を活かし、誰にも負けないおもしろいアイデアが出せるよう努力します。
アイデアが出揃ったら、ゲームプランナーコースの学生がすべてのアイデアをいくつかのカテゴリーに分けていきます。そしてカテゴリーごとに内容を整理し、アイデアを昇華させて、仕様書に落とし込みます。仕様書ができあがると、プログラミング担当の学生からも、より具体的な改善案が出てきます。お互いがコミュニケーションをはかりながらスピーディーに仕様書を仕上げることが、ゲームプランナーコースの学生が果たすべき重要な役割です。
ゲームコンペティションは、ゲームプランナーとして腕の見せどころであり、ゲーム業界のプロの方々に自分の実力を示す絶好の機会です。そのため、4年制学科も2年制学科も、チーム制作でつくったゲームを日本ゲーム大賞アマチュア部門などのさまざまなゲームコンペに積極的に応募しています。ゲームコンペでプロが注目する点は、おもしろいかどうかより、技術的にしっかりしているかどうか。プロの方々は作品に反映された技術力をもとに学生のポテンシャルを推測し、数年先の姿をイメージするので、技術的にしっかりしたゲームは必ずプロの目に止まります。ある程度のおもしろさがあり、技術的にしっかりしていて、楽しんでもらえる工夫が施されていれば、目標到達ラインを十分クリアしています。たとえ受賞を逃しても、コンペの後で必ず振り返り、課題を見つけて新たなゲーム制作に取り組めば、人間的にもスキルの面でも大きく成長します。
■ゲームプランナーコースでめざせる主な職種
ゲームプランナー
ゲームディレクター
ゲームプロデューサー
ゲームプランナーをはじめとする企画職をめざすうえで、ゲームプランニングの実際や企画職の仕事について理解しておくことはとても重要です。企画職の仕事は幅広く、必要なスキルも多様ですが、企画職の役割をきちんと理解し、ゲームプランナーとして活躍できるスキルを身につけましょう。
ゲームは構造的に「思考の難しさ」と「操作の難しさ」のバランスで成り立っています。そして、ゲームのジャンルごとにその割合が違います。たとえば、謎解きゲームは考える割合が高く、アクション性の高いゲームほど操作が難しくなっています。ゲームを企画する際は、こうしたゲームの基本的な構造を理解したうえで、「どんなターゲットに対して、どんなしくみのゲームを提供すれば、どんな喜びを与えられるか」を冷静に分析し、論理的に考えることが重要です。ゲームプランニングの軸となるこの3要素をマスターすることが、ゲームプランナーへの近道です。
ゲームの企画職には、ゲームプランナーの他に、レベルデザイナー、ゲームディレクター、ゲームプロデューサーなどがあります。ゲームの難易度を設計するレベルデザイナーは、海外では一般的な職種ですが、日本では多くの場合ゲームプランナーが兼ねています。制作チームをまとめ、ゲームのおもしろさに対して全責任を負うゲームディレクターは、ゲームクリエイターの花形的存在で、ゲームプランナーから昇格するケースが多いです。また、予算や販売に関する責任者であるゲームプロデューサーは、ゲーム会社や制作チームの規模によっても異なりますが、ゲームプランナー経験者が務めるケースが多くなっています。
ゲーム機のスペックが向上し、VRなどの新しい技術が進化するほど、ゲームプランナーの発想のフィールドは広がります。かつてのアイデアが今度は実現できるかもしれません。新しいものを作りたいという創造意欲も高まるでしょう。ゲームプランナーには、こうした創造力に加え、身につけておくべき知識やスキル(下記)があります。特にゲームディレクターやゲームプロデューサーには、より高いスキルが求められます。
おもしろいアイデアを出すことだけが、ゲームプランナーの仕事ではありません。アイデアはプロでなくても出せます。そのアイデアを実現するためにはどういうしくみにしないといけないのか、ゲームプログラマーに対してどういう指示をしないといけないのかなどを言語化し、仕様書に落とし込まなければなりません。発想力に加え、発想をカタチにまとめる能力も必要です。
コンシューマーゲームの場合、ゲームがリリースされるとゲーム卸問屋がそれを買い取り、パブリッシャーの収益が確定します。一方、スマホゲームは、現在ではインターネットを通じてユーザーに無料でリリースされるもの(Free to Play)が多く、その場合、リリース後イベント運営などで有料コンテンツを追加していくことで初めて収益が生まれます。そのため、スマホゲームのプランナーにはマネタイズの知識、ビジネス感覚も必要といえるでしょう。
ゲームソフトの販売ルート
コンシューマーゲームのパブリッシャーは、「シリーズもののタイトル」以外に、新規の「ルーキータイトル」を開発するために投資しています。それぞれの会社が定期的に社内コンペ·企画プレゼンを行うなどして、ゲームプランナーたちが企画を出し合い、常に企画がストックされている状態をつくる試みをしています。スマホゲームの場合も、毎月のように新しいコンポーネントが加わるので運用面が重視されがちですが、各社とも工夫しながらゲームプランナーたちが新しいゲームの企画・開発に取り組んでいます。
制作工程におけるゲームの企画職の役割
企画段階
多くの場合、最初はゲームディレクターと数人のゲームプランナーだけで企画を考え、プロジェクト(ゲーム制作)がスタートします。ゲームプログラマーも、かなり少数で開始。その状態でプロトタイプ試作まで進み、大勢のゲームプログラマーが加わるのは仕様が決まってからです。
企画
何がなぜおもしろいのか 売れそうなのかを検討
プロトタイプ試作
おもしろさを生み出す最低限のしくみを書き下ろし
設計段階
基本設計
メイン要素方針策定
●ゲームシステム ●物語・キャラ ●UI
実装・テスト段階
アルファ版を経てベータ版が完成したら、不具合がないかを確認するため、ベータテストを行います。スマホゲームの場合、オープンベータテストやクローズドベータテストを行い、不具合のみならず、使い勝手やデザイン、性能などに対する意見をユーザーからヒアリングします。ゲームプロデューサーは、そこで得た反応を販売戦略に反映していきます。
アルファ版制作
メイン要素策定
ベータ版制作
アルファ版で確定したものの量産
サブ要素策定
●アイテム ●サブクエスト
マスター制作
ゲームバランス調整
リリース
スマホゲームの場合、新規タイトルがリリースされた後はイベントなどで新しい機能をどんどん追加していくので、リリース後の工程が長く続きます。なかにはリリースから10年近く運用している人気タイトルもあるほどです。したがって、ゲームプランナーは運用面も含めた長期的な視点でゲームをプランニングする必要があります。
Teacher’s
Voice
ゲームプロデューサー / ゲームディレクター
馬場 保仁 先生
担当科目:ゲーム制作実習
【プロフィール】
セガ・エンタープライゼス(現セガ)で、主に家庭用ゲームの開発に携わった後、DeNAに移り、数多くのスマホアプリを世に送り出す。採用や人材育成の活動にも注力している。著書に『ゲームの教科書』などがある。
これからゲームプランナーをめざす人に心得ておいてほしいことが5つあります。すべてを完璧に身につけることは至難の業ですが、ぜひこのことを目標に掲げて勉強に取り組んでください。
1つ目は、ゲームが好きでたまらないというパッションを持ち続けることです。ゲームプランナーは「本当にそれおもしろいの?」と絶えず言われ続ける職業です。そのプレッシャーに打ち勝つには、ゲームが好きでたまらないというパッションがなければなりません。そして、それを保ち続けなければなりません。
2つ目は、人を喜ばせたいという気持ちです。ゲームはあくまで商品であって、自分さえ満足すればよいものではありません。遊んでくれた人に「このコンテンツ、おもしろいね」というハッピーな時間を提供しなければなりません。見えないユーザーを喜ばせるために作っているのだという意識がなければ、サービスを提供する者としては失格です。
3つ目は、人の意見を素直に受けとめる力です。ゲームプランナーは、企画段階、プロトタイプの段階、実装段階など、あらゆる場面でさまざまな人から多くのインプットをもらいます。その際、相手の意見を素直に受けとめ、それを精査し、取り入れるべきところは取り入れ、議論するべきところは議論していかないと何も始まりません。そうしないと、周りの人は何も言ってくれなくなります。
4つ目は、人を巻き込む力です。ゲームプランナーがいくらおもしろいアイデアを考えても、ゲームプログラマーが共感を持って前向きに作ってくれなければ、いいものはできません。どんな方法で巻き込むかはその人の自由です。人間性で巻き込んでもいいですし、企画力で巻き込んでもかまいません。
最後は、振り返る力です。ゲームプランナーは一番最初に発信する仕事なので、多くの人からたくさんのインプットを受けます。その時、必ず振り返ってPDCAサイクルを回さないといけません。すなわち、こういうおもしろさを提供できるはずだと考えたうえで(Plan)、企画を出し(Do)、周りの反応を聞いて企画をチェックし(Check)、柔軟に企画を修正する(Action)。5つの中でこれがもっとも大切であり、振り返る力がないとゲームプランナーは務まらないでしょう。
私がゲームプランナーになって20数年経ちますが、自分で考えたものが仕様になって何かが動いたりすると、いまでも楽しいです。ゲームを作る仕事って、やった者にしかわからないけれど、めちゃめちゃ楽しい。ただし、人を喜ばせることって、そう簡単ではないです。だから、努力していろんなことを学んでほしい。それを乗り越えたところには、他の人たちが味わえないような喜びや楽しみが待っています。それを得るためにも、興味のある人はぜひ日本工学院に来て、プロへの足がかりにしてください。私たちが業界への第一歩を全力で支援します。
若きつくりびと®とは、日本工学院ならではの本格的な学習環境のもと、自由にモノ、コト、場、健康、喜びなどをつくる(創る)本校生を表すことばです。課外活動や学業などに優れた学生や、高い学習意欲を持ちながら経済的な事情で就学困難な学生に対し、さまざまな学費サポートを行っています。
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